目 黒 先 生 の 独 占 欲 。

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「………本当に、阿部先生のお陰です」


「いや、俺じゃなくて。
他にもいるはずでしょ？」


「え？」








確かに、5人もそうだ。阿部先生だけじゃない。








「一番は康二じゃない？」


「っ、」


「え、、そこ考えてなかったの？」









出た、阿部先生の
唐突な痛いとこ突く癖。





いやっ、全く
考えてなかった訳じゃなくて。



感謝し切れないよ、本当に。









「感謝とか、自分の気持ちをちゃんと
伝えないといけない相手は、康二だと思うけど」


「…………」









阿部先生の言う通り。





この気持ちも

ここまでやれたのも




全部、康二くんのお陰だって。









…………そうだよ、康二くんなんだよ。








その途端、早く気持ちを
伝えたくなって、周りを見回す。





………が、職員室に姿がない。








「確か康二は、捻挫した子がいて
保健室で手当てしてるよ」








俺の様子に気付いたのか、阿部先生が
康二くんの居場所を教えてくれた。







職員室を急いで出て保健室へ向かう。









背中を押されてばっかり。




俺は自分で肝心なとこに気付かないまま
誰かに言われて気付く。







今までもそうだったとしたら。



……きっと数え切れない程
康二くんを傷付けてきた、はず。







もう、傷付けないから。

悲しませたりなんかさせないから。





もう1度俺にチャンスをくれない？





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