防弾の専属メイクは辛すぎる

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空の色が真っ黒になり


満月が南の空に出ている






ビルに付いている電気は


ﾎﾟﾂﾘﾎﾟﾂﾘと消え始めている






もうそんな時間か…





働き終え疲れた人を乗せた電車が


家の近くを通る音がした






冷たくなったスマホをリュックから出して





ある人に電話をかける






出てくれるかな？





ﾄｩﾙﾙﾙ ﾄｩﾙﾙﾙ ﾄｩﾙﾙﾙ




？「もしもーし」





『あ！もしもしオッパ？』





？「なんだよAー？笑

こんな時間にどうした？


寝なくて良いのか？肌の調子悪くなるぞ」







『大丈夫大丈夫！


あのね



はやくオッパに会いたくて、


待ちきれなくて電話しちゃった



忙しかったらごめん』





少し時間がたって


ｶﾞﾀｺﾞﾄと物音が聞こえる





？「いや忙しくない。電話ありがとな！


カムバックの準備も

ほぼほぼ終わったから今宿舎



ベランダ出たらつき見えるんだけど


A見える？満月だよ！」






『うん見えるよ。


なんか……




オッパの目みたい(笑)』






？「おい！月を馬鹿にすんなー！失礼だろ


それに俺1重だからそんなに目でかくないわ」






『そうかな？充分でかいよ』






いやそっちかい



オッパやっぱり面白い






？「ねぇね、

A何かいい事あった？！」





『さぁ』





？「え？怒っちゃった？」





『怒ってないよ。

オッパの言う通り嬉しいことあった

でもなんで分かったの？ストーカ？怖いよ』






？「あんなにどす黒かった名前の声が

明るくなったからね。」





自慢げに話すオッパ




『声で分かるって流石だね』






？「いやAめっちゃわかりやすいもん



オンとオフ激しすぎるし



喜怒哀楽も激しい



すぐ表情に出るし





Aの思っていること

占い師じゃないおれでも分かるよ」








『じゃあこれから気をつけなきゃ

誰かに騙されちゃうかもしれない笑』








？「そうだね」









オッパの声に元気が無いのは







私の気のせいだろうか









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