防弾の専属メイクは辛すぎる

15:TH ページ15

『＿＿起きてください…』


ん？誰かの声が聞こえる

ヒョンの声じゃないから

ユナヌナ？



『Ｖさん？』



ぞもぞと動き

布団の外に顔を出した


目の前にはユナヌナではなく

メイクのチョンさんがいた



顔はメイクもしていないし

いつもよりも髪がボサボサしている



TH「ん、なんだよお前かよ」




『ユナオンニが良かったですよね…

でもユナオンニはヒールだったので』




TH「あっそう」



そんなこと言ってねーわ


声も手震えて

そんなに俺が怖いのかよ


こいつを見てると一々イライラする


ベットから立ち上がり

リビングに向かった




『Ｖさん、今日撮影ですよ』




TH「今着替えてるじゃん」



『え…もう少し急いだ方が…」



なんでこんな奴に言われなきゃいけねんだ


お前は早く帰ったけど

俺らは昨日ダンスの練習があって疲れてるのに




キッとチョンさんを睨む



すると彼女は怯えた顔をして

1歩後ろにさがった


まじでイライラするわ



TH「うるせぇなー！？
分かってるわ

なんでお前みてぇーな日本人なんかに
言われなきゃなんねんだよ！？」



『…うぐっ』



彼女が着ていたジャケットの襟を掴む

苦しそうだ


だが俺の口から出る言葉は

止まらなかった



普段からのストレスを

関係ない彼女にぶつけるようにして




TH「昨日グクにも言われたんだろ？
ざまーみろだよな

お前みたいな日本人が
俺らと仲良く出来ると思ってた？」




俺は笑いながら言う

自分でも何が面白いのか分からない




TH「日本人のお前には
味方なんていねぇーんだよ！

とっとと日本に帰れ」




掴んでいた襟を話して突飛ばす

彼女は尻餅をついた



反日って便利な言葉だ




顔を俯く彼女




グクに言われた時は散々泣いてたらしいのに

今日は泣かねぇーのかよ



TH「あれ？黙っちゃった？

今日は泣かないのつまんないなー」






『みんな待ってます、
撮影現場にむかいましょう』




泣くと思って言った言葉に対して



涙を一つも流さず

笑いもせず

俺に反抗もせず

逃げたしたりもせず

仕事のことだけ考えている彼女


俺は驚いてそれ以上言葉がでなかった




彼女は今何を考えているのだろうか





TH「……」






彼女に手を掴まれ、睨んだが


そんなことも気にせずそのまま進む彼女



俺は付いていくことしか出来なかった…

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