星屑ポスト 5 (ページ5)

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「翔ちゃん学校は？」

「まぁまぁ、今はいいじゃん」

優等生の翔ちゃんらしからぬ言葉。

俺をベンチに座らせて、すぐ目の前の駄菓子屋で瓶ラムネを買ってきた。

「乾杯っ！やっぱり夏はラムネだよな」

翔ちゃんの言う通り、キンキンに冷えたラムネは暑い夏によく似合う。

「何かに一生懸命取り組んだり、テストや部活で結果を残すことも青春だけど、それだけじゃない。

廊下を走って怒られることも、部活だるいって愚痴りながら友達と帰ることも、こうやって学校サボって飲むラムネも、10年後振り返ったら全部青春だったなって思うよ。きっと」

飲み終わったラムネの瓶を眺めながら、翔ちゃんの言葉を聞く。

「そうだね」

「まぁ、非日常的な文化祭ができないのは残念だけどね」

カラン、と、ビー玉が涼しげな音を立てる。

「じゃあ、学校行こうか」

翔ちゃんが立ち上がった。

「よし、怒られにいこう」

宣言通り、俺たちはしっかり怒られた。

結果として放課後補習を受けることになったけど、同時に吉報も受け取ることになる。

「文化祭当日に職員室で勉強したくなければ今やっておけ」

…それは、文化祭あるって認識でいいよね？

俺は翔ちゃんと眼を合わせ、派手な音を立ててハイタッチをした。