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そんな風に君を避けようとしながらも、
私はこの恋心に、かなり振り回されていた。
「おかえり、A。講習はどうだったの？」
廉と別々に帰ってきて、家に入ると、
穏やかな表情の母親が迎えてくれる
「………うん、講習は、」
帰ってきてから講習で習ったことを少しずつ話すのが、私の日課
だけど今は、
そんなこともできないほどに、君のことを考えていた。
リビングの入り口で固まった私を見て、両親が首を傾げる
「A？どうしたの？」
何か話そうとする度に、
君の表情、君の香り、君の優しさ、
すべてが頭をかすめ、苦しくなってしまった
「A、どこか体調でも悪いのか？」
父親が、新聞から顔を上げている
ずっと、秘密にしておこうと思っていた。
私が学校でひどく嫌われていることも、
それで私に友達がいないことも、
毎日がつまらなくて、居場所がないことも。
ただ両親に、心配をかけたくなかったから。
だけど私は、廉の優しさに触れて、
つらいって、言ってしまってもいいのかな、なんて
そんな風に思うようになって。
「A？」
「大丈夫なのか？」
私を怪訝そうに見つめているふたり分の視線
溢れる、壊れる
私は、本当は、
「…………つらい、苦しいよ。」
ぽとりとリビングの空気に落ちて、
小さな波紋を作った私の、精一杯の言葉
両親が顔を見合わせ、大丈夫か、と、近寄ってくる
その様子を見て、
ああ、言ってしまった。なんて、ひどく後悔した
「………あ、ごめん、なんか疲れてるみたい。もう寝るね」
「A、何か変だぞ、どうしたんだ。」
「気にしないで、おやすみなさい。」
私を呼び止める声を無視して、蒸し暑い廊下に出る
窓の外で、太陽が沈もうとしていた
そう、こうやって夜が来て、
眠りについて目が覚めれば、いつも通り。
私たちの1日が、また始まる。
窮屈で、冷たくて、自分勝手な1日が。
部屋のベッドに深く沈み込んで目を閉じれば、
廉の言葉と、寂しそうな瞳を思い出した
講習の日程も、あと半分
すべて終われば、私と廉はまた関わらなくなるはずだ
ねえ私、いつからこんなにも苦しい生き方をするようになったの？
答えの出ない質問を、自分に投げかけながら、
私はずっと、君のことを考えていた。
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詩愛(プロフ) - zzzさん» zzzさんいつもありがとうございます。今回もお付き合いいただきありがとうございました！ぜひ何回でも読んでみてください！また次回もどうぞよろしくお願いいたします。 (2022年1月25日 10時) (
レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
zzz(プロフ) - 詩愛さん、こんばんは。「Rewind」0章 ついに完結で、またはじめから読みたくなってます。次回はどんな作品と出会えるのか、楽しみにしてますね。 (2022年1月24日 19時) (レス) @page32 id: f02299600f (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - zzzさん» ZZZさん。いつもありがとうございます！また読み直してみるといろいろと見えてくるものがあったりするかもしれません。ぜひ、お話は逃げないので忙しくない時に読みにいらしてくださいね！今年は大変お世話になりました。良いお年をお迎えください！ (2021年12月31日 23時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
zzz(プロフ) - ZZZです。過去編をみて切なくなってる私です。そっか、こんな寂しさを抱えていたなんて…。も少し先まで読んでから読み直すか！今すぐみるか‼️年末年始の料理はじめるか？真剣に悩んでます。 (2021年12月29日 12時) (レス) @page11 id: f02299600f (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - さやさん» はじめまして！コメントありがとうございます。楽しみにしてくださっていたなんてとても嬉しいです！ゆっくりですがきちんと進めていきますので、どうぞよろしければ最後までお付き合いくださいね。ありがとうございます^^ (2021年12月22日 19時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩愛
| 作成日時：2021年12月18日 16時
