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「A、今日も時間あったりする？」
講習が始まって数日が経ち、この日常に慣れてきた頃、
授業の終わり、きらきらと私を振り向く廉
「………時間、あるけど、」
「お、じゃあ俺とアイス食お。」
「またアイス？」
「おん、さっきコンビニ寄った時にうまそうなやつあったからAと食おう〜って。俺今日そればっか考えとった。」
君はまだ、きらきら私を見つめたまま
本当は嬉しくて、今すぐにでも頷きたくて
だけど同時に、また怖くなった。
また誰かに会ったら、見られたりしたら
少し前、廊下で私と話をしていた廉に向けられた冷え切った視線たち
それを思い出してしまえば、
あっという間に萎んでいく、目の前の幸せ。
「A。」
「………うん、」
「俺と、行こ。」
だけど君の瞳が、まっすぐに私を見つめる
私の不安な気持ちも、この危なっかしい関係も、
廉はまるで、全てを理解し、
それでいて受け入れようとしているみたいだった。
「それとも、アイス嫌いやったっけ？」
「ううん、」
「なら俺と居んのがイヤ？」
「まさか。」
「じゃあほら、決まりやな。」
廉が、そうやって笑うから。
私だけに、そうやって微笑むから。
私は君を、もっと好きになる。
この悲しさも、悔しさも、
すべてを委ねてしまいたくなるほど、深く、深く。
「はいもう決まりー。もう大人しく俺とアイス食って。」
笑いながら私の背中を押して、廊下に出る君
ねえ、好きだよ。好きだよ廉。
今まで、誰だって相手にしてくれなかったこの世界で、
君だけが私を見つめ、私を受け入れ、
私のために、少しでもその人生の時間をくれた
感謝してもしきれない、
大事に想っても想いきれない、
それほどまでに、この私の暗い生活の中で君は、
唯一の、光だった。
「………廉、」
「あー、今更断るとかナシやで？ガチで」
「違うよ、そうじゃなくて、」
「なに？じゃあ」
昇降口の前、君と向き合えば、
世界はもう、邪魔なんかできやしない。
そっと見上げて、
言葉に、ありったけの想いを込めて。
「………ありがとう、廉。」
好きだなんて言えないから。
私には言えないから。これでどうか、許してほしい。
「………Aのそういうとこ、好きやで。」
そして、そっと微笑んでくれた君に、
この気持ちはきっと、届いていてほしい。
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詩愛(プロフ) - zzzさん» zzzさんいつもありがとうございます。今回もお付き合いいただきありがとうございました！ぜひ何回でも読んでみてください！また次回もどうぞよろしくお願いいたします。 (2022年1月25日 10時) (
レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
zzz(プロフ) - 詩愛さん、こんばんは。「Rewind」0章 ついに完結で、またはじめから読みたくなってます。次回はどんな作品と出会えるのか、楽しみにしてますね。 (2022年1月24日 19時) (レス) @page32 id: f02299600f (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - zzzさん» ZZZさん。いつもありがとうございます！また読み直してみるといろいろと見えてくるものがあったりするかもしれません。ぜひ、お話は逃げないので忙しくない時に読みにいらしてくださいね！今年は大変お世話になりました。良いお年をお迎えください！ (2021年12月31日 23時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
zzz(プロフ) - ZZZです。過去編をみて切なくなってる私です。そっか、こんな寂しさを抱えていたなんて…。も少し先まで読んでから読み直すか！今すぐみるか‼️年末年始の料理はじめるか？真剣に悩んでます。 (2021年12月29日 12時) (レス) @page11 id: f02299600f (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - さやさん» はじめまして！コメントありがとうございます。楽しみにしてくださっていたなんてとても嬉しいです！ゆっくりですがきちんと進めていきますので、どうぞよろしければ最後までお付き合いくださいね。ありがとうございます^^ (2021年12月22日 19時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩愛
| 作成日時：2021年12月18日 16時
