6 ページ6
・
私たちは、高校生になった。
当たり前のように、ふたりで通う同じ高校
となりどうしの家から駅まで歩くけど
高校の制服を着た廉は、本当にかっこよかった。
「なにー、A」
街を歩いている間、繋がれている手を強めに握りしめると、
廉がくすりと笑いながら、私を見下ろす
「どうしたん、んな怖い顔して」
「………廉がいろんな人に見られてる。」
「え？」
ぼそっと呟いた子どもっぽすぎる私のセリフに、君は少しだけ笑った
「廉がかっこいいから、いろんな人が見てる。」
「いや、そりゃ街中やから。たまたまそう見えとるだけやって」
「そうじゃないよ、絶対」
私の膨れた顔を見て、廉はまた笑う
「はっ、な〜んでそんないっつも不安になるん？言うとるやん、俺はAが好きやって。しかも毎日」
「……ねえもう、」
「また照れるし。」
そのまま廉は楽しそうに、私の肩をそっと抱き寄せた
とんっとぶつかった肩と肩
それがなんだか、くすぐったい。
廉は、いつもそうだった。
何か私が不安になった時は、
必ずいつも、自分の気持ちを伝えてくれる。
それが幸せで、本当に心の底から嬉しくて。
その度に私は、廉のことがどんどん好きになって。
人気者だから、寂しい思いをすることもあるけど、
廉はそれを超えるほどの優しさで、
いつも私を、包んでくれるから。
「てかすごくない？俺らまた同じクラスやん」
「ほんとにずっと一緒だよね、逆にいいのかな？」
「んー、まあ運命ってことなんかなー、やっぱ」
また笑いながら、廉が私を見下ろす
ずっと同じ道を歩んできた私たちは、
いつしか自分たちの出会いを、何か運命的なものだと感じるようになった
高校生のうちからそんなことを思って、やっぱりちょっとマセてるのかもしれない。
だけど、
私たちはそれくらいに、お互いが大切で
それくらい真剣に、お互いのことを考えていた。
「………運命、だといいよね」
「せやな。てかそう思っとこ」
廉は、いつも明るく笑う
眩しく、この世界を照らすように。
「廉、今日もいい日にしようね」
「俺にとってはもういい日になってるけどね。」
周りの目も気にせずに、私たちは寄り添い合う
朝の眩しい日差しが、私たちの未来を照らしているようだった
ねえ、廉
私たち、ずっと一緒に居たいね。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 817人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
詩愛(プロフ) - zzzさん» こんばんは！お久しぶりです！また読んでいただけて嬉しいですありがとうございます^^ 少しずつですがお話をまだまだ書いていますので、楽しんでいただけたら幸いです。こちらこそいつもありがとうございます！ (2021年10月30日 23時) (
レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
zzz(プロフ) - 詩愛さん、こんばんは。大変ご無沙汰しておりましたが、詩愛さんの作品の香りを嗅ぎ付けてやって来てしまいました( ￣▽￣)まずは第一章お疲れさまでした。これから先の展開もドキドキさせていただきますね。いつもありがとう。 (2021年10月29日 19時) (レス) @page50 id: f02299600f (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - ひだかくんさん» いつもありがとうございます！いろいろ気になることがたくさんありますよね……ぜひ今後の展開にも期待してくださいね。ありがとうございます、無理せず更新いたします！ (2021年8月4日 23時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
ひだかくん(プロフ) - 高評価が一回しか押せないのがすごく悔しいです(ToT)廉君と主人公ちゃんがこれからどうなっていくのかなとか、きちんと思い出せるのかなとかめっちゃ気になります笑 作者さんも無理のないようにしてくださいね！ (2021年8月3日 23時) (レス) id: 10f3d7dc91 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - ミツキさん» ありがとうございます！まだまだ先は長いので、今後もどうぞよろしくお願いいたします！ (2021年7月26日 15時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：詩愛
| 作成日時：2021年7月24日 16時
