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・
廉さんはその日以降も本当に、大人たちの目を盗んで会いに来てくれた
散々会うなと言われ、良くないことだとはわかってる
だけど私たちはもう、
止まることが、できなかった。
お互いしかいない孤独なふたり
それだけが理由じゃないけど、どうしても離れたくなくて
廉さんと、居たい。
・
「怖いん？」
ある夏の夕方
ふたりきりの病棟の片隅で、君は私にそんなことを聞いた
繋がれた手を、思わずぎゅっと握りしめる
「……はい、ちょっとだけ。」
「そっか。」
「まだ会ってること知られたら、私たちどうなっちゃうんだろうって、思って」
一緒に居たいけど、それは何かお互いにとって良くないことで。
小さな声でそう呟いた私の顔を、君は横から覗き込む
「俺も、まったく怖くないとは言い切れないかな。」
「……廉さんも、」
「おん、正直、ちょっとビビってんのかも」
目が合って、また頭に小さな痛み
「けどさ。俺それ以上にAさんと話してたい」
そうやって廉さんが、笑うから。
「まー怖いんやけど、それでもAさんと話せなくなる方が俺は怖いっすよ」
優しく私を、見つめるから。
また心が、大きな波を打ってざわつき始める
「………、」
「つか、そもそも理由もわからんのに従うとかできなくない？普通」
「そう、ですよね、」
「そう、だから今はさ。俺だけ、見とって」
廉さん、だけ。
じっと見つめているだけで、安心する存在
本当にずっと、廉さんだけ居てくれればいいのに。
お互いの瞳にお互いを映した私たち
繋がれた左手の体温に、心臓が壊れそうになる
その時急に、伝えたい言葉が浮かんで、
「………廉さん、」
思わず、その名前を呼んだ。
ん？って首を傾げ、少し私に顔を近づける君
その動き、表情、香り、すべてが、
私の伝えたい感情を、じわじわと引きずり起こす
「………なに？Aさん」
好き。
頭に浮かんだ、そのたった二文字の言葉
喉元まで出かかって、思わずそれを飲み込んだ
「……いや、なんでもないです、」
なんでもないよ、なんでも。
廉さんが、そう？と目を細める
頷いて視線を逸らし、私は自分の感情に戸惑うことしかできない
「なんなん、めっちゃ気になるんやけど。」
「……すっごくどうでもいいことなので、」
「うーわ、それもっと気になるやん」
どうしたらいい、この気持ちは。
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詩愛(プロフ) - zzzさん» こんばんは！お久しぶりです！また読んでいただけて嬉しいですありがとうございます^^ 少しずつですがお話をまだまだ書いていますので、楽しんでいただけたら幸いです。こちらこそいつもありがとうございます！ (2021年10月30日 23時) (
レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
zzz(プロフ) - 詩愛さん、こんばんは。大変ご無沙汰しておりましたが、詩愛さんの作品の香りを嗅ぎ付けてやって来てしまいました( ￣▽￣)まずは第一章お疲れさまでした。これから先の展開もドキドキさせていただきますね。いつもありがとう。 (2021年10月29日 19時) (レス) @page50 id: f02299600f (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - ひだかくんさん» いつもありがとうございます！いろいろ気になることがたくさんありますよね……ぜひ今後の展開にも期待してくださいね。ありがとうございます、無理せず更新いたします！ (2021年8月4日 23時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
ひだかくん(プロフ) - 高評価が一回しか押せないのがすごく悔しいです(ToT)廉君と主人公ちゃんがこれからどうなっていくのかなとか、きちんと思い出せるのかなとかめっちゃ気になります笑 作者さんも無理のないようにしてくださいね！ (2021年8月3日 23時) (レス) id: 10f3d7dc91 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - ミツキさん» ありがとうございます！まだまだ先は長いので、今後もどうぞよろしくお願いいたします！ (2021年7月26日 15時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩愛
| 作成日時：2021年7月24日 16時
