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ふたりでこっそり、会い続ける日々
大人たちは関わるなと言うけれど、
意外と、厳しく監視されているわけではないことに気がついた
「廉さん」
「お、こんちは」
今日も中庭の奥のベンチ
お昼ご飯を済ませたあとにそこを訪れると、
廉さんが嬉しそうに私を待っていた。
「遅くなっちゃって、すみません。」
「全然。俺も今来たとこやし」
君のとなりに、いつものように腰を下ろす
初めて会った時よりもずっと縮まった距離に、
また頭が痛くなって、胸の奥が苦しくなった
「そういえば廉さん、その後体調は大丈夫ですか」
「あーもう全然平気なんよそれが、心配ありがとね」
「よかった、」
たまに混ざる柔らかい言葉遣いに、心臓が止まりそうになる
その時ふと、廉さんの綺麗な指先が視界に飛び込んできて、
触れたい。なんて、一瞬そんなことを思ってしまった
「つうかやっぱ長いっすね。入院治療って」
すると突然、廉さんはそんなことを呟く
その視線は今日も青い空に向けられていて、
なんて返事をすればいいのか、わからなかった
「………俺結構おるんやけどなぁ、ここ。」
「そう、なんですね、」
「Aさんは、退院したらなんかこれしたい！とかあります？」
彼がふわりと、私の顔をのぞき込む
目が合って、またどこか懐かしく苦しくなって。
退院、か。
この建物から出た外の世界に、
私の居場所、って、あるのかな。
「………やっぱり、美味しいものたくさん食べたいです、」
「あー、それめっちゃわかるわ。」
記憶のない空っぽの頭
当たり障りのない答えをすると廉さんは、いいねぇ、と、笑った
「………じゃあ廉さんは、何したいですか、」
「俺？んー、なんやろ」
不自然じゃないように質問を返すけど、
廉さんがいつかここから、私の前からいなくなってしまうなんて、
寂しくて、考えたくもない。なんて
少し揺れる君の瞳が、空の青を映す
じっと答えを待つ私の視線に気がついて、
虚ろな表情を浮かべた君は、
「………俺も、母親の作る料理が食いたい、かな。」
と、とっても苦しそうに呟いた。
私には、彼が何かを隠していて、
そして何かに、苦しんでいるように見える
そっか、と返事をした私に、そうだよ、と返す君
そのあとしばらく、
君に話しかけることが、できなかった。
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詩愛(プロフ) - zzzさん» こんばんは！お久しぶりです！また読んでいただけて嬉しいですありがとうございます^^ 少しずつですがお話をまだまだ書いていますので、楽しんでいただけたら幸いです。こちらこそいつもありがとうございます！ (2021年10月30日 23時) (
レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
zzz(プロフ) - 詩愛さん、こんばんは。大変ご無沙汰しておりましたが、詩愛さんの作品の香りを嗅ぎ付けてやって来てしまいました( ￣▽￣)まずは第一章お疲れさまでした。これから先の展開もドキドキさせていただきますね。いつもありがとう。 (2021年10月29日 19時) (レス) @page50 id: f02299600f (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - ひだかくんさん» いつもありがとうございます！いろいろ気になることがたくさんありますよね……ぜひ今後の展開にも期待してくださいね。ありがとうございます、無理せず更新いたします！ (2021年8月4日 23時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
ひだかくん(プロフ) - 高評価が一回しか押せないのがすごく悔しいです(ToT)廉君と主人公ちゃんがこれからどうなっていくのかなとか、きちんと思い出せるのかなとかめっちゃ気になります笑 作者さんも無理のないようにしてくださいね！ (2021年8月3日 23時) (レス) id: 10f3d7dc91 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - ミツキさん» ありがとうございます！まだまだ先は長いので、今後もどうぞよろしくお願いいたします！ (2021年7月26日 15時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩愛
| 作成日時：2021年7月24日 16時
