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廉くんが、家まで送る、って言ってくれて、ふたりで電車を降りる
暑い季節の中。あまり会話をしない私たちを包む空気が、なんだか少し、甘酸っぱい
なんだろう。この、まるで長く夢見た願いが叶いそうな、そんな雰囲気
なぜかわからないけど、君も同じことを考えている気がした
「もうすぐそこだから、ここまででいいよ」
親に見られることを気にして、家の少し手前で立ち止まる
廉くんは不思議そうに、わかった、と、頷いてくれた
ああ、今日が終わる。
君との時間には、いつも終わりがある
時間も何もかも超えて、ずっと一緒に居られたらいいのに。
私はいつから、君をこんなに好きだったんだろう。
「今日はありがとうね、本当に楽しかった！」
寂しさを見せないように、一生懸命笑って君を見上げる
だけど、
「……廉くん？」
君の顔はどこか緊張で強張っていて、私と目が合わない
「どうしたの？」
「………あの、さ、」
廉くんが、何か話そうとしてくれている。
うん、と頷くと、
君が今度は、まっすぐに私を見つめて、
「Aは、俺のこと、好き？」
そんなことを聞くから思わず、え、と声が漏れる
「え、っと、」
「教えて、俺に」
君の、何かを願うような表情から、
聞かれてる“好き”が、ただの友達としての感情じゃないことがわかる
それを見て、突然ずっと感じていたこの雰囲気の正体に気がついた
君の目が、熱く熱く、私をまっすぐに刺すから、
これって、これってもしかして、
「……廉くん、」
「うん、」
「……私は廉くんのこと、好き、だよ。」
言葉にした瞬間に、抑えてきた想いが全身を駆け巡る
好きだよ、君が。
すると、
「………俺も、同じ気持ち。」
聞こえた、その言葉。
私をまっすぐに見つめたまま放たれたそれは、私の心にまっすぐに届く
やっぱりあの雰囲気の理由は、この未来だった。
「……じゃあ、廉くん、」
「俺たち、付き合お」
君は、私を幸せにする力を持っている
風が吹いて、君の髪が揺れて
それがとても、美しかった。
「……うん、よろしくお願いします。」
嬉し涙をこらえて君に笑いかけると、そっと頷いてくれる
「………なんやろ、めっちゃ幸せ。かも」
「ふふ、私も」
君が私を見つめて、“幸せだ”と笑ってくれた
もう一度風が吹いて、
私たちの夏が始まる、香りがした。
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詩愛(プロフ) - reeeinさん» ありがとうございます、、、！！どうぞ最後までお楽しみください！！よろしくお願いいたします！ (2020年9月29日 23時) (
レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
reeein(プロフ) - もう、詩愛さんは天才です、私が保証します、天才です、、、続き楽しみにしてます、、！！！ (2020年9月28日 23時) (レス) id: 713e35c5a6 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - さとひとさん» 嬉しいです〜ありがとうございますT_T 第二章もよろしくお願いいたしますね！ (2020年7月27日 12時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - 雪さん» 毎日ありがとうございます！更新頑張りますね！第二章もよろしくお願いいたします！^^ (2020年7月27日 12時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
さとひと(プロフ) - とてもキュンキュンしながら読ませていただいています！好きすぎて何回も星を押してしまいます、、。明日の公開楽しみにしています！ (2020年7月27日 0時) (レス) id: df351be635 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩愛
| 作成日時：2020年6月29日 14時
