36 ページ36
・
だけど、ドリンクバーからみんなが帰ってきてしまえば、ふたりきりの時間は終わる。
特に何か話ができたわけでもなくて、ただふたりでみんなを待っていただけだったけど、
それでも私にはとっても、大切な時間だった。
「今日の現代文さ、先生テンション高くなかった？」
「それ思った！」
「だよな？なんかいいことあったんかな〜」
みんながご飯を食べながら、わいわいと会話を弾ませる
「ていうかそれで言ったら廉も今日テンション高いよね？」
突然そんなことを言われて、となりの君が、は？と首を傾げた
「それな！今日なんかいつもより楽しそう」
「なんかあった？」
興味津々のみんなに、廉くんはため息をつく
「別に。いつもとおんなじやけど。」
「えー、そうかぁ？」
「え！！待って！！このチキンうま！！」
今度はみんなが首を傾げるけど、岸くんの一言で話題がチキンにすり替わった
そんな中、廉くんは、ふっと息を吐くと、
「………俺、今日楽しそう？」
と、私にこっそりと尋ねる
その吐息が耳元で聴こえて、思わずぞくりとした
「……うん、ちょっとだけね？」
「そっか、」
廉くんは私の言葉に、ちょっとだけ不思議そうだった。
「ありがとうございました〜」
たくさん話した後、最後に割り勘で支払いをして、
店員さんに見送られながらレストランを出る
「いや〜マジ超楽しかった！みんなありがとう！！」
岸くんが満面の笑みでみんなを振り返った
口々に私も楽しかったよ、と返事をするみんな
そんな中、廉くんが私の肩を叩く
「A」
「ん？」
「これ。」
差し出された廉くんの手の上には、500円玉。
一瞬、状況がつかめなくて
「500円？どうして？」
「……さっきドリンクバー頼んだのに、とりに行かなかったやん」
「そうだけど、廉くんから受け取る理由がないよ」
「いや、ある。」
まだわからなくて、君の顔をまじまじと見つめる
すると君は恥ずかしそうに視線をそらして、
「……俺と居たい、って。言ってくれたやん。」
「俺と居たからAはとりに行けんかったし、俺に払わせてほしいんやけど。」
「でも、」
「お釣りとかも、ええから。」
君が私の手をとって、500円玉を握らせる
その手の体温までも、
「……ありがと。」
「ん。」
やっぱり君は、優しかった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1165人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「King&Prince」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
詩愛(プロフ) - reeeinさん» ありがとうございます、、、！！どうぞ最後までお楽しみください！！よろしくお願いいたします！ (2020年9月29日 23時) (
レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
reeein(プロフ) - もう、詩愛さんは天才です、私が保証します、天才です、、、続き楽しみにしてます、、！！！ (2020年9月28日 23時) (レス) id: 713e35c5a6 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - さとひとさん» 嬉しいです〜ありがとうございますT_T 第二章もよろしくお願いいたしますね！ (2020年7月27日 12時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - 雪さん» 毎日ありがとうございます！更新頑張りますね！第二章もよろしくお願いいたします！^^ (2020年7月27日 12時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
さとひと(プロフ) - とてもキュンキュンしながら読ませていただいています！好きすぎて何回も星を押してしまいます、、。明日の公開楽しみにしています！ (2020年7月27日 0時) (レス) id: df351be635 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：詩愛
| 作成日時：2020年6月29日 14時
