蒼く、染まれ Y.J（２） (ページ30)

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高校生のある朝、私は自分のお弁当を作っていた

今日はお母さんが早く家を出てしまって、作ることになったのだけど、

料理は結構、得意だったり。

「……できた。」

フタをして布で包むと、ちょうど家を出る時間だった

自分で作ったお弁当を持っていく時は、いつもなんだかわくわくする

「いってきます」

そのわくわくした気持ちのまま、私は家をあとにした

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学校に着いて、自分の机に向かう

「おはよ」

神宮寺くんが、私の席を通り過ぎる時に挨拶をしてくれた

「あ、おはよう」

「今日も、よろしくね」

ただの学級委員の話、だとは思うけど、

その言葉が、ちょっぴり嬉しい。

今日も君とたくさん話せるといいな。

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あっという間にお昼休み

自分で作ったお弁当を広げた

色とりどりのおかずを盛り付けた、ちょっと自慢したくなるような今日のお弁当

「………おいしそう、」

自分で言うのも変だけど、

思わずそう呟いてしまうくらいには、うまくできていた

「あ、ほんとだ」

すると急に、頭上からそんな声が聞こえてくる

慌てて顔を上げると、

「……神宮寺くん、」

「やっほ～」

君が、私のお弁当を見ていた。

「めっちゃおいしそうだね？そのお弁当」

「ほんと？嬉しい……これ、私が作ったの」

「えっ！まじか」

びっくりしたように口元に手を持っていく君の反応が、新鮮だった

「うわ～まじですごいね」

あまりにお弁当をまじまじと見つめるから、少しずつ恥ずかしくなってくる

だけどそんなことに気がつかない君は、

「……ねえこれ、ちょっとちょうだい？」

そう言って、今回1番うまくできた炒め物を指さした

「………口に合うかわからないけど、」

「大丈夫！絶対おいしいから」

君は、ね？と首を傾げて、わくわくと私を見つめる

「………少しだけだよ？」

「よっしゃ。いただきます」

自分のお箸を持ってきた神宮寺くんは、あっという間に炒め物を一口食べた

「………どう？」

「………え、やば、めっちゃおいしいよこれ」

「………本当に？」

「ほんとに！Aちゃん料理うまいね？」

キラキラと目を輝かせる神宮寺くん

自分の料理が喜んでもらえたことが嬉しくて、

この時、私の中で、ちょっとした計画が浮かんだ