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しばらく返事は返ってこなかった



きっと君なりに考えてるんだろう



「友達招いてもいいって言われたから、誘ってみた」



返事が来ない空白の時間をうめるように、私は立て続けにメッセージを送る



やっぱりちょっと、急すぎた?



読まれるだけで返事が来ないトークルームを見ながら、少しだけ焦った



すると、






「ほんと?お邪魔してもいいの?」






そんな確認のメッセージが、神宮寺くんから届く



「いいから、誘ってるんだよ」



この前の君の言葉を、そっくりそのまま返した



「ありがとう。じゃあ、行こうかな」



ポン、と音を立てて画面に表示されたメッセージに、思わず微笑んでしまう






今日、君に、会えるんだ。






そのあと神宮寺くんに住所を送ってから、軽く部屋の掃除に取り掛かることにした






机の上の教科書をしまっていると、だんだんと現実味を増してくる、この後の展開






あんなに簡単に誘ってしまったけど、



家に呼ぶなんて、もしかして少し、やりすぎだった?





この部屋に君と2人きり。



部屋をぐるりと見回しながらそんなことを考える



「………」



なんだか、緊張しちゃうな。





自分から誘ったくせに、心臓がバクバクと暴れ出して止まらない





でも、早く君に会いたくて。





私、相当重症だな、って、少しだけあきれてしまう









「そろそろ着くよ」



数十分後、ベッドの上に置かれたケータイに、そんなメッセージが届いた



それだけでも飛び上がりそうな高揚した気持ち






君が、ここに来るんだ。






「待ってるね」



平然を装って返事をしたけど、なんだか手が震えてきたような気すらする





自分の提案とはいえ、



今日、私の心臓はもつのだろうか。









ピンポーン



また数分後に響いたインターホンの音に、やっぱり飛び上がりそうになる



急いで玄関に向かってドアを開けるとそこに、





「おまたせ、会いにきたよ」





そう言って爽やかに笑う、神宮寺くん。






この瞬間に思うのも変だけど、



やっぱりこの人が好きだ。そう思った。






「ごめんね、急にこんなことになっちゃって」



「ううん、大丈夫だよ。むしろ忙しいのに会ってくれてありがとう、」



君はそこで少し声を低くして、






「………会いたかったよ」






甘く甘く、そうささやく






「………入って、」



「お邪魔します」







君が、玄関に足を踏み入れた。

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作者名:詩愛 | 作成日時:2020年2月19日 15時

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