コピー49 ページ11
瀬名side
明らかに、避けられてる。
今はAのプロデュース中。
そりゃあ、今回のは俺が悪かったけど。
ていうか、くまくんとも前より仲良くなってるし。
｢A！ちょっと来て！｣
｢あ、うん｣
王さまとも、距離近いし…。
いつの間にかAは王さまのこと”れおくん”なんて呼んでるし、敬語も若干外れてるし。
先輩での名前呼びの先輩なし、タメ口は俺だけの特権だと思ってたのに。
王さまもAも天然ていうか、無自覚入ってるからそんなこと気にも止めてないんだろうけど。
ほんと…
｢ちょーうざぁい………｣
ふと呟いたその言葉は、果たしてAに対してなのか、王さまに対してなのか………
それは俺にも分からない。
｢ふっ……ははっ｣
突然、隣から吹き出すような笑い声が聞こえた。
俺はその隣のやつを睨みつける。
｢ちょっと、なぁに？くまくん｣
｢いや、だってセッちゃん分かりやすすぎて｣
隣、と言ってもこいつは寝転がっているので下なのだが。
着替えずに制服のままごろごろゴロゴロ……
自分の制服じゃないのに、しわがつくかと思うと溜息が出る。
未だに笑っているこいつが能天気に見えて、それがむかついたので踏んづけてやった。
当の本人はそんなこと気にせずに笑い続ける。
ちょーうざぁい……。
｢セッちゃん、王さまに嫉妬してんでしょ？｣
笑いが収まったのか、くまくんは急にそんなことを聞いてきた。
｢急になに？｣
てか、さっさと着替えてレッスン始めなよぉ。
そう言うとくまくんはため息をつき、急に真面目な顔でこう言った。
｢いい加減セッちゃんも、自分に素直になりなよ｣
俺は楽しそうに話すAと王さまを見た。
くまくんも俺につられて見る。
｢じゃないとAも可哀想だし、王さまに取られてもいいの？｣
まぁ王さまに限ってそれはないと思うけど。
くまくんはそう付け足した。
｢…余計なお世話だからぁ……｣
色々と図星だった俺は、さらにくまくんを踏んづける力を強くした。
だから｢ちょ、痛い痛いギブギブ！｣なんてくまくんの叫びは無視してやった。
素直になる、ねぇ。
｢それが出来たら、苦労はしてないんだけどねぇ｣
そんな俺の呟きは、王さまの笑い声と共に掻き消され、誰の耳にも入ることはなかった。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 783人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「あんスタ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
きさら(プロフ) - 河田結奈さん» ありがとうございます！GWの宿題終わらせましたよ！ご希望にお答えして更新してきます！(ちょろい) (2018年5月7日 18時) (
レス) id: bfa2e53ce4 (このIDを非表示/違反報告)
河田結奈(プロフ) - 相変わらず面白いです！更新待ってますね。宿題頑張ってください。あたしもやらないと、、、(泣) (2018年5月5日 22時) (レス) id: 7637638998 (このIDを非表示/違反報告)
きさら(プロフ) - むーんさん» コメントありがとうございます！やっぱりこの時期はイベントが盛りだくさんですよね……更新頻度は減りますが待っていてくれるというコメントは本当に有難いです。 (2018年5月5日 11時) (レス) id: bfa2e53ce4 (このIDを非表示/違反報告)
むーん - 私も音楽系の部活をやってます！確かにこの時期はめちゃくちゃ忙しいですよね…。ゆっくり更新でも大丈夫です！いつまでも待てますから！ (2018年5月4日 6時) (レス) id: a7bd376b17 (このIDを非表示/違反報告)
きさら(プロフ) - 妖夢さん» ありがとうございます！レス遅くてすみません！占ツクに浮上できる時間が全然なくて……学生同士頑張りましょう！ (2018年5月3日 11時) (レス) id: bfa2e53ce4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：きさら | 作成日時：2018年3月31日 13時
