528 / 切り裂いた先 ページ38
side A
『おまえらもこんな奴いらねぇだろ、なぁ』
和也「………………理由は？」
やけに冷静なニノが
怖かった。
『本当はもう死んでるコイツなんていらねぇだろ、
重荷なだけだよな、こんな奴…社会のゴミだろうが』
和也「理由は、っつってんの」
『コイツの母親が自 殺しただろ』
和也「そうね、」
『コイツが死んでりゃ、アイツは自 殺しなくて済んだんだ。
…………コイツさえ生まれてこなけりゃ、アイツは幸せだった！！！』
あぁ、そうか。
虐待する人間を愛する人間も居るんだ。
和也「…………………なんかあったら、そんときは頼むよ」
ニノが、そっと
俺らにしか聞こえない声で、そっとそう呟いた。
彼の意図が、手に取るようにわかる。
「ん、」と短く、答えた。
和也「それで、言いたいことはそれだけ？」
ひとつずつ歩を進める彼に
男は、声を荒らげる。
『近寄れば…っ、おまえも一緒に殺すぞ！！』
和也「殺せば？殺せばいいよ、この子のためなら死ねるよ。
でもこの子のために死ねる奴、あと3人も居るけど大丈夫？」
間に居る潤ちゃんがニノを捉え、
ポロポロ涙を零す。
それと同時に、「こないで、」と
小さく小さく、零す。
言葉に躊躇った男を見たニノは
一気に歩を進め。
『………っ！！！』
勢いよく、
潤ちゃんの首筋付近にあったナイフを
力強く掴んだ。
振りほどこうとする男だけど
ニノの手はビクともしない。
和也「………殺せば、って言ってるでしょう」
ポタ、ポタ、と
血が滴る。
痛くないわけがないのに
ニノの顔は、ひとつも歪まない。
血が滴る腕で
ナイフを潤ちゃんの首から離す。
「ん、もう大丈夫だからね」
その隙に3人で潤ちゃんを奪い取り、
離れたところでしゃがませる。
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櫻宮 - ニノと潤くん。二人は見えない何かでつながってる気がする。。キミは弱くない。弱くなんかないよ。大丈夫。振り返って立ち止まりそうになっても。皆なら私たちならきっと絶対背中を押してくれるから。大丈夫だから。。彼がこれからずっと笑顔でいられるように。。 (2020年8月12日 19時) (
レス) id: 59853f2783 (このIDを非表示/違反報告)
櫻宮 - え、、何が起きるの？笑笑次が待ちきれない！ (2020年8月12日 19時) (レス) id: 59853f2783 (このIDを非表示/違反報告)
櫻宮 - いえいえ(笑)みんなが言ってる｢俺らにとって生きる意味が彼であるように彼にとっても生きる意味が俺らであってほしい｣私もそう思います。まさに持ちつ持たれつの関係、、ですね。 (2020年8月11日 9時) (レス) id: 59853f2783 (このIDを非表示/違反報告)
ヲ伽 -otogi-(プロフ) - 櫻宮さん» いつもありがとうございます(*^^*) (2020年8月10日 23時) (レス) id: a5fdc137e0 (このIDを非表示/違反報告)
櫻宮 - 誰か姫の沼から私を救って下さい(笑)可愛過ぎかよ。。笑笑そしてニノ。よかった。傷が浅くて。彼にとって愛情は何より大切で大事で。。それがよく伝わるなぁと思いました。 (2020年8月10日 22時) (レス) id: 59853f2783 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヲ伽 -otogi-
| 作成日時：2020年7月27日 13時
