乞ウモリ (ページ34)

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beg.33 / 絡む糸－N ページ34

グルグル、グルグルと

渦の中に居るみたいに

いつの間にか、

思考回路が絡まった。

ペタンと力無く座り込んだ潤くん。

その彼を見る自分の瞳が揺れている、と

視界の揺れのせいですぐに分かった。

何か言わなきゃ、と思うのに

奪われたみたいに、

言葉が出てこない。

「……っ、」

その時。

“ Prrrrrr... ”

潤くんの携帯に

一通の電話がかかってきた。

「…潤くん、出ないの？」

「……、」

「…ごめん、見るよ？」

電話に出そうにない潤くんに断りを入れて

携帯のディスプレイを見ると、そこには

“ 相葉くん ”

と表示されていた。

『あ、ごめんね急に』

「……もしもし」

『え、ニノ？
あれ、今松潤と一緒なの？』

「……相葉くん、今から俺ん家来れる？」

『え？』

「潤くんのことで…ちょっと」

『………分かった』

俺の振り絞ったような声で

事の大きさを理解してくれたのか、

すぐ行く、と言って電話が切れた。

「潤くん…、とりあえず俺ん家行こう」

頷いてはくれた潤くんだけど

顔は俯いたままで、力無くフラフラと歩くから
危なっかしくて、体を支えて車に乗せる。

相葉くんの声を聞いた瞬間、

助かった、と思った。

一人でなんとかしなくていい。

目の前で潤くんが腑抜けのように落胆してるのに

それだけが頭を支配した。