乞ウモリ (ページ14)

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beg.13 / illusion －A ページ14

「あ、潤くん─────」

マネージャー「おまえ！どれだけ迷惑かけたら─────！！」

「ちょ、落ち着いて…」

俺らの顔も見ずに頭を下げた松潤に、
マネージャーが怒りを顕にして詰め寄った。

それを、俺がなんとか抑える。

けれど、怒っていないのは俺だけのようで。

「おまえ、まだ懲りねぇのかよ」

「よってたかって責めたかないけどさ、
松潤、最近気が緩んでるよ」

「潤くん、さすがに酷いよ…」

翔ちゃんとリーダーとニノにも説教される中

松潤は、「ごめんなさい、ごめんなさい…」と

呟くように何度も繰り返し謝る。

マネージャー「また二日酔いか！？」

俺が抑えていたはずのマネージャーが、
いつの間にか離れていて
松潤にそう問い質すと

彼は、コクリと俯き加減で頷いた。

…え？

「や、松潤…ほんと？」

「…ごめん、なさい」

“いや、責めてるんじゃないよ”

そう言いたかったけれど、言葉が出てこなかった。

飲んでるか飲んでないかくらい、メンバーには見透かされるって分かってるはず。

それなら、そんなバレバレの嘘付かないでしょ。

昨夜会ってる俺になら、尚更。

「とにかく…プロデューサーとゲストさんに謝りに行くよ」

怒りを隠さない声でリーダーがそう言って
雑に松潤の手を取り、マネージャーと3人で
楽屋を出て行った。

翔ちゃんが、俺らも行こうか、と言うと
人数多すぎてもあれだから大丈夫だ、とぶっきらぼうに告げて。

その後、3人が帰ってきて
空気が淀んだままの中始まった収録は、
お客さんが居なかったからよかったものの
カメラが回っていないところでは空気が悪くて悪くて。

その上、松潤の肩身は狭くて狭くて。

そんな感じのまま終わった収録。

5人で、プロデューサーとゲストさんのところに謝りに行き

松潤は、プロデューサーからは、次は無い、と怒られ
ゲストさんからは、気を付けて、と怒られ

3人の怒りも、収まらないままだった。