91. 夜中の通話 ページ44
その日の就寝時間、緑谷の予感が的中した。
轟が明日の支度を済ませ、もう寝ようとしていた時だった。
スマホが鳴り、文机の上で振動する。
こんな時間に誰だ？と思いながら画面を見ると、そこにはAの名前が表示されていた。
怖くて電話をかけてきたのだと思い、轟は通話ボタンを押す。
轟「水無月、どうした？大丈夫か？」
電話口からは、微かに鼻をすする音が聞こえてくる。
また泣いているのだろうか？
貴『大丈夫……なん、だけど……いざベッドに入ったら、やっぱり怖くて……ごめんね、もう寝てた？』
轟「いや、今から寝ようと思ってた」
いつになく弱々しい声に、轟も心配になった。
明日もまだ学校がある。
怖くて眠れなくなって、明日の授業に支障をきたしたら大変だ。
Aの両隣の部屋の2人に何とかしてもらおうと思ったが、八百万も蛙吹も寝るのが早い。
今頃、もう夢の中だろう。
起こすのは悪いし、まず起きるかどうかも分からない。
轟「水無月……1人が怖いなら、俺が行こうか？」
轟が尋ねると、少し間を置いて返答がきた。
貴『……でも、もう寝ようとしてたんでしょ？なんか悪いよ……』
轟「俺は平気だ。それか……一緒に寝るか？」
轟は、一瞬言うのを躊躇った。
Aが怖がってるのをいいことに、自分が一緒に寝たいだけなのではないかと思ったからだ。
やっぱり今のナシ、と言おうと思ったが、先に声を発したのはAだった。
貴『……いい、の？』
控えめだが、やはり誰かといたいのだろう。
そんなふうに聞かれてしまっては、ナシとは言いづらい。
轟「ああ、今からそっち行く。鍵開けられるか？」
貴『怖いから、ヤオモモちゃんに閉めないでって言ったの。鍵開けっ放しだよ』
轟「分かった。5分後には着く」
轟がそう言って通話を切ろうとすると、『待って』とAが止めた。
貴『轟君がいいなら……着くまで、通話状態でもいい？』
控えめに聞いたAだが、Aが好きな轟からしたら断る理由がない。
轟「ああ。でも、もう皆寝てるから廊下出たら話せねえぞ」
貴『いいの……何もないまま待ってるの怖いから』
轟「……分かった」
通話状態の携帯を片手に、ドアを静かに閉めて轟はエレベーターへと向かった。
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漓娜(プロフ) - キュンキュン通り越してぎゅんぎゅんする（） (2019年6月5日 20時) (
レス) id: 47b69fc756 (このIDを非表示/違反報告)
超能力者えのん＠紙#余韻(プロフ) - 僕は…気付いてしまった…91話の最初の方…｢表示｣が｢表情｣になっていたことに……いろはさんごめんなさい！気になっちゃい派になってしまいました… (2019年5月19日 0時) (携帯から) (レス) id: 1390b0b4be (このIDを非表示/違反報告)
IROHA*(プロフ) - ルルナさん» こちらこそ、すみませんでした。私が誤解したことに囚われず、ルルナさんの想像通りに書いてくださいな。同じような作品同士、私も応援させていただきます。お互いがんばりましょう！ (2019年5月10日 21時) (レス) id: 3fd8a40bef (このIDを非表示/違反報告)
ルルナ(プロフ) - IROHA*さん» ありがとうございます。こちらこそ誤解されるようなことをしていまい申し訳ありません。以後このような事がないように努めていきたいと思います。 (2019年5月10日 21時) (レス) id: e226e38a19 (このIDを非表示/違反報告)
IROHA*(プロフ) - ルルナさん» そうだったのですね、理由が聞けて安心しました！こちらこそ、誤解してしまってすみません。パクリでなければ全然問題ありませんので、更新してください！話してくださってありがとうございました＿|＼○＿ (2019年5月10日 20時) (レス) id: 3fd8a40bef (このIDを非表示/違反報告)
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