恋人になれなかった僕達は【としみつ】

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『う…頭痛い…もう朝か…』


あの後、結局おうちで二次会する気になんてなれなくて

どっと疲れが出てきてそのまま寝てしまったようだ。

昨日のことがフラッシュバックする

あれは夢だったのか、現実だったのか…。

夢であって欲しい…と思っていたが

ピンポーン

家のチャイムが鳴り、インターホンを見ると
そこにはとしみつが立っていた。

なんでうちに来た？お隣だからなのか？

色々考えてるうちに、としみつは戻って行った。

帰ってくれた…とホッとすると同時に

やっぱり昨日のことは夢じゃないんだと思わされる。

どうしよう…お隣さんってことは…
色々と鉢合わせてしまう可能性がある…

どうやって鉢合わせないようにしようか…。

うわぁぁぁぁ！頭がこんがらがってきた！



そんなことを考え始めたら落ち着かなくなってきたので

とりあえずシャワーを浴びて近くのカフェで、週明けから取り組む仕事を進めておくことにした。

家だと色々考え込んでしまいそうだったから。


準備を終えて…

『…いないよね？』

玄関の扉を少しずつ開けて周りを確認。

としみつは居ないようなので、そそくさと出てカフェへ向かう。


朝からなんでこんなにバタバタしてるんだろうか…
気にしなきゃいいじゃんと言われればそれまでなのだが…

気まずいじゃん…ねぇ？笑

やっと着いたカフェ

…と言っても家から徒歩5分で行けるカフェだけど…
今日はなんだか倍くらいに感じた…

ここはよく、行き詰まった時やリラックスしたい時に来る場所だ。

土日は結構混んでるけど…
この時間帯からなら…それほど多くは無い…

特等席に座り、コーヒーとお腹も空いたのでトーストも頼んだ。

注文を終えてからパソコンを出し、仕事を進める。

週明けからは、とあるアーティスト(名前忘れた)のPVの撮影で使われる背景とかセットのデザインを依頼されているイメージを元に作成して、提案して依頼者に確認してもらって訂正があれば意見をもらいながら、最終的な仕上がりを決めていくって言うもの。

話し合いは水曜日だから、別に今じゃなくてもいいんだろうけども…少しでも納得してもらえるデザインにしたいじゃん？

生半可な気持ちでお仕事したら失礼だからね…

初担当だし…気合いも入るわけですよ…。

なんて思いながらパソコンと睨めっこしてると

｢すみません…ここ…いいですか？｣

と、声をかけてくる小柄な男性。

『…ど、どうぞ。』

断るのもあれだし…そう答えた。

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