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ー元々、お父さんは厳しかった。


自分が婿養子に来たくせに男を産めなかったことを悔やんでいるのか、負い目に感じているかは知らないが。


事あるごとに私のやることなす事、一挙手一投足に駄目出しをしてきたり制限をかけたり…兎に角五月蝿く口を挟んできた。


そんなお父さんが大嫌いだった。


私だって好き好んで次期当主の座に収まったわけではないし。


まずまず私のプライベートに口を出されるのが煩わしい、と分かっていないのだろうか。


お父さんの行動をとうとうお母さんに打ち明け、溜まりに溜まった愚痴を吐き出した。


それを少し困ったような、哀しそうな、そんな切なげな顔をして聞いた後、お母さんはこう言った。


ーお父さんは不器用なだけで、あなたのためを思ってお父さんなりに行動しているのよ、と。


信じられなかった。


お母さんもお父さんの味方するんだ、と悲しくもなった。


確かに、お父さんはどんなに私ができなくても決して見捨てたり諦めたりする事なく、いつも私を鼓舞してくれていた。


できたことはきちんと褒め、駄目なところは適切に叱り、私の頑張りに誰よりも早く気づき認めてくれた。


でも。


それとこれとは話が別で、態々娘が嫌がることをさせる親がどこにいるのだろうか。


私は決意した。


ーお父さんが絶対に認めないようなことを成し遂げて、私の気持ちを理解してもらおう、と。


そこから、私の細やかな“反抗期”が始まったのだ。

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作者名:Alice* | 作成日時:2023年3月9日 19時

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