家に帰ろうと思ったら拉致されました 続【オリジナル】

85話 ページ45

ロンガ「…」


ピリピリとした緊張が横切る


…どうしたんだろう


本当に分からない


分かることはロンガさんが怒っていて


私が嫌いな目をしているということ


温かさなんて微塵もないあの目を


ロンガさんが私に向けているってこと


ロンガ「…俺はお前を知らない」


睨みをきかせ私に話す



ジロ「おい。何を」ｸﾞﾙﾙﾙﾙﾙ


ジロちゃんも何かを悟ったのかロンガさんに牙をむく


ｽｯ


私はそれを左手で制した


貴『…(何？)』


分からない 分からないけど



貴『(そんな悲しそうな顔をしないで)』


さっきの殺気とは違い瞳が泳いでいる


………迷っている？


ジロ「…お前が何を言いたいのかは知らないがな」


ｸﾞﾙﾙﾙﾙﾙ


いつの間にか変身がとけ獣になっていた


その姿はおぞましい 恐ろしいと言われる姿であろう


ジロ「どんな形であっても主を傷つけるやつはこのわし次郎が許さんぞ。」


たとえ、主が許可しようともな



低く 上のものが下のものを沈めるように



その声は響く


しかし

ロンガ「…お前はそれでいいのか」


その声に彼は問う





ジロ「…何を言っている」


貴『…』


ロンガ「…お前も分かっているんじゃないのか」


私を見て


私に問う


それは何に対してなのか


”私自身”の事なのか


それとも



ジロ「…主。


わしでは頼りないだろうか」


シュンと頭を下げ私の方へ


貴『？！急だね！！』


ジロ「…今 こやつの言いたいことがわかった


…わしは主を守りたい。


もちろん外に出たいというので主は契約をしたのだろうが


わしはもう違う



主の従者として、…主の血縁者として主を守りたい」



真っ直ぐな目



逃れられない目









・









…けど、いいの？



ぐっと拳を握る


頭が痛い


何も考えられなくなる





・





ダメ ダメだよ








だって







だって私は





一人なのだから

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