82話 ページ42
…
…
…
私はそっと目をつぶる
それはまるで1時間いや5分前のことのようで
…ァ……グァ
ォォ……ヴグォ
知ってる
………知ってるよ
キーーーーーーン
貴『…ぅっ』
頭が痛い
私は
”知らないといけないのか”
ロンガ「…な 貴『…すみません一人にしてもらってもいいですか?』
…分かった」
そう言うとロンガさんは腰を上げ
ジロちゃんに外に出るよう促し
ジロちゃんも心配そうにこちらを見て歩いていった
貴『…ごめんね』ボソ
パタリ
部屋に一人になる
ここには誰もいなくなった
貴『…』
自分の布団を見る
瞬く間に黒いシミが広がる
次々に
肩が震えて 嗚咽が漏れた
あぁ、私
今泣いている
貴『ふ…んっ……ぁぁ…』
ずずっと鼻をすする
幾度となく溢れ出るその涙は
ゾンビの恐ろしさなのからか
…自分が殺したからなのか
……懐かしいと思ったからなのか
貴『ぁぁ……ヴァ…くっ…』
体が震える
叫びたい 叫びたい
どうして私だったのか
私じゃなくてもよかったのでは無いのだろうか
それに何故
私は”懐かしい”と思ったの?
貴『わかんないよっ……!!』
ゾンビを切る時のあの感触
自分の剣がその体に当たる瞬間
その体に剣が埋まっていく
その後継を見るだけで
貴『……ぅっ』
腹の中で胃が渦巻く
ぐるぐると音がするように
口が酸っぱい
喉が焼ける様だ
痛い痛い痛い痛い
…悲しい
貴『…ママ……パパ…会いたいよ』
これまでずっと堪えてた
もちろんジロちゃんもミアさんも怜奈もいた
でも、
……でも、違う
?「……ーご飯よー」
?「…早く食べなさい」
……
…
貴『…うぅぅぅ……ぁぁ…』
あの
あの温かさが欲しい
あのいらだちが欲しい
あの愛が欲しい
……笑って欲しい
涙が零れる
溢れ出てくるように
…
【………死ぬな】
びりっと電気が走ったような感覚
頭が痛い
けどこれはさっきまでの恐怖などの痛みではない
どこか懐かしい…?
何かがわたしに言いたがっている気がする
【………ぼうね
また…………るよ】
何これ
ドクンドクン
心臓の音がやけにうるさい
貴『…(思い出しちゃダメ)』
心臓が警告している
ドクドクドクドクドク
貴『…はぁ、はぁ……っっ』
体が熱い
貴『助けて』
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なこむペッパー(プロフ) - Ryoさん» 遅くていつもすみません!!見てくださってありがとうございます!頑張ります!! (2018年7月7日 23時) (レス) id: e3a404bae9 (このIDを非表示/違反報告)
Ryo(プロフ) - 更新頑張ってくださいな(`・ω・)b (2018年7月2日 20時) (レス) id: b823da6549 (このIDを非表示/違反報告)
なこむペッパー(プロフ) - まありなさん» ありがとうございます!!早速やってみました!…出来てますかね?わざわざ教えてくださって本当にありがとうございました!ノロノロ更新ですが、楽しんでいただけると嬉しいです!! (2018年6月30日 16時) (レス) id: e3a404bae9 (このIDを非表示/違反報告)
まありな(プロフ) - URLは各話の文章の上に出てくる地球の様なマークを押したら今までに作った作品(関連付けされている物のみ)が出てくると思うので、その横のこの作品を挿入という所を押してもらったら貼れると思います。 (2018年6月23日 20時) (レス) id: 69e2d78fba (このIDを非表示/違反報告)
なこむペッパー(プロフ) - 大槻涼於さん» えぇ…?!?!?!オホシサマ…。本当にありがとうございます!!更新早く出来るように頑張ります!いつも気長に待って下さってありがとうございます!! (2018年6月13日 19時) (レス) id: e3a404bae9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なこむペッパー | 作成日時:2018年5月6日 13時