家に帰ろうと思ったら拉致されました 続【オリジナル】

81話 ページ41

ﾋﾟﾋﾟｯﾋﾟﾋﾟｯ

電子音だ


ミア「……


ごめんなさいね。そろそろ行かなきゃ


秋人、ダイゴもそれぞれ配置に」


秋人「…はい」


ダイゴ「はい！」


？？


ミア「実はかなりやられていてね


復旧作業がまだなの。


Aちゃんは充分に休んでね


……また、来ます」



私の頭を撫で ロンガさんに視線を移し一礼した


そして数えるまもなく消えてしまった


ジロ「…ふぅ。」


ジロちゃんも安心仕切ったように座り込む


ロンガさんも横の丸椅子に腰かけた


貴『…なんか。色々やらかしたみたいですね。私


二人ともありがとうございました』


腰を少し上げ一礼する


…何となくだけど二人にはすごくお世話になった気がする



ジロ「…ﾌﾌ


なに、従者として当然の働きをしたまでじゃ」


ふふんと鼻を高くし私の手に頭ぐりぐりさせる


…なんとも可愛らしい


私はそんな可愛いジロちゃんの頭を撫でた


ゴロゴロと喉を鳴らし顔を埋めてくる


…


ロンガ「…少しいいだろうか」


ぱっと顔を上げるとロンガさんが悲しい顔で私を見ていた


貴『…？ どうしました？』


私は不思議に思って首を傾げた


…急になんだろう


目線に困ったのでジロちゃんを見ると


やはり悲しい顔で私を見ていた


ジロちゃんの顔は下を向き


尻尾も元気が無さそうに下がっていた


ロンガ「…本当に何も覚えていないのか」


その声は震えていた


消え入りそうに


だけど、どこか確信があるようで


じっと私を見る


その顔は苦痛の何者でもない


貴『…覚えている、こと』


何も覚えていない


そう答えることは私には出来なかった





心配そうに見守るジロちゃんも


いつの間にか苦しそうで


目を合わせられないとばかり言うようにこちらを見ない


出来ることなら『何にもないよ』


と言ってあげたかった




だけど



私は

82話→←80話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す