家に帰ろうと思ったら拉致されました 続【オリジナル】

73話 ページ31

ぷかぷかと空に浮いている彼女


……あんまり驚かなくなってしまったな


不思議な世界に慣れてきたと痛感したが


今はそんな感傷に浸っている場合ではない



すると、その少女が目を見開き







笑う

？「きゃはっ！


私がみつかっちゃったわぁー！ｱﾊﾊ


ｱﾊﾊﾊｯ


どいつが生け捕り？？


もぉーわかんなーい！


ｷｬﾊﾊﾊﾊｯ」


突然姿を現した少女は高らかに笑い


私達を舐めるように見る


こちらには興味がないようだ


私たちはまったく眼中にいれられていない



…なめられているのか


そう思いつつ


きっと私は何も出来ないのだろうと思うと


自分に嫌気がさす






ギュッと剣を握る


？「あー笑った


わかんないし…”殺していいよね？”」


ｶﾞﾁｬﾝ


一斉に武器を彼女に向ける


まるで稲妻が周りを通ったように


緊張が一気に高まる



殺気が見に見えてわかるぐらいに



”殺す”


簡単にその言葉を発する彼女



彼女にとって殺すということは


どれほどの価値があるのか


貴『(私には到底想像つかないな)』


冷たい汗が流れる


これがいったい今の状況で流れたものなのか


彼女の言葉によって流れたのか


はたまた両方なのか






彼女がこちらに一瞬目を見開いた


びりりと緊張が走る




…来るっっっっ




？？「…ダメだよ」


ピタッ


時が止まったみたいだった


皆が目を見開き

・・
後ろから聞こえる声に


……後ろ？


誰も分からないかった


誰も気づかなかった



”敵がもう一人いることに”


？「…ムゥー

・・・・・・・
いいじゃない。後で生き返らせれば、ねぇ


メケ」


メケと呼ばれたその少女


後ろを見上げると私達は目を見開いた



なぜなら彼女は


服の色以外”少女”にそっくりだったのだ


いや、髪型も少し違うな


まじまじとみると


服装は青色で彼女と同じ型


髪型は肩上に揃えられていて


頭から首にかけて背中のラインに


彼女同様腰ぐらいまでの三つ編みだ


瞳も水色で二人に見つめられると


頭がおかしくなってしまいそうだ


メケ「…生き返らすのは生きているのとは


また違う。


怒られるのやだ。…リルも嫌でしょ？」


リル「…嫌


楽しくない」


どうやら殺されることは無さそうだ


とどこかほっとしていると


リル「…じゃあ、半殺しかぁ」


つまらなそうにさらっと恐ろしいことを言う


え？半殺し？


メケ「…うん。


殺さないでね」

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