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その日の夜、お花屋さんのお姉さんにもらったカスミソウを花瓶に移した。 廉くんからもらった花束も、まだ枯れずに残っている。２つの花瓶を眺めて、廉くん今何してるんだろってふと思った。そしたら携帯が鳴って。時刻は０時を過ぎていた。
永瀬廉おきてる?
びっくりした。神様、 わざとですか？
" 起きてるよ " と返せば今度は着信。
〈 もしもし 〉
〈 おれ 〉
〈 どうしたの 〉
〈 声聞きたなった 〉
〈 ……もう 〉
廉くんはキュンとさせる言葉を使うのが得意だ。
〈 なにしてたん？ 〉
廉くんのことを考えてたよ、なんて言えたら良かったのにね。
〈 テレビ見てたよ 〉
〈 ほお、夜更かし女やな 〉
〈 廉くんこそ 〉
〈 俺はAちゃんのこと考えとったで 〉
〈 ……うん 〉
〈 黙らんといてよ笑 〉
廉くんは笑ってるけど、私には笑うことなんてできないよ。
期待だけさせられて、ほんとは違うんだよ、なんて、……裏切られたときの気持ちが痛いほど分かるから。……だから、ちゃんと言わなきゃいけない。……廉くん。
〈 ……廉くん、 〉
〈 ……ちょ、まって、聞きたないわ 〉
〈 ……え？ 〉
〈 そんなん聞く為に電話したんちゃうし 〉
全て理解したかのように廉くんは遮った。
〈 電話でとかずるいわ 〉
〈 ……ごめん 〉
〈 だから謝んなや！ 〉
〈 ……っ！ 〉
廉くんが初めて怒鳴った。いつも怒らない廉くんが初めて取り乱した。
〈 ごめん 〉
〈 ……ううん、 〉
〈 今日はもう切るわ、おやすみ 〉
〈 ……おやすみ 〉
ツーツー……と切られた電話。
耳に当てたまま、涙が溢れた。
なんの涙なんだろう。どうすれば良かった？
誰かが傷つかなきゃいけないのなら、恋愛なんてしない方がマシだ。
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こころ(プロフ) - もう泣いちゃいます…すれ違ってばっかりで苦しいです…主人公と紫耀くんがハッピーエンドになりますように。いつも素敵なお話ありがとうございます！Twitterの方でも毎日更新あるか通知いれてるのに見に行っちゃいます…大好きです！ (2021年2月24日 21時) (
レス) id: f2c5e943bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詠夢
| 作成日時：2021年2月23日 14時
