37.天才から秀才へ ページ37
5月中旬
皆、6月初旬の学期末試験に備えていた―
ﾍﾟﾗｯ
『ハーマイオニー？』
図書室で試験勉強をしているハーマイオニーに
クロウが声を掛けるが、本人はなかなか気付かない
ﾎﾟﾝｯ
「わっ⁉︎クロウ⁉︎」
クロウに肩を軽く叩かれ、やっと気付くハーマイオニー
あまりの驚きっぷりにクロウはｸｽｯと笑ってしまう
『久しぶりね』
休憩も必要よ？、と隣の席に座るクロウ
「え、えぇ…」
ハーマイオニーの動揺はおさまらなかった
半年間もまるで自分たちを避けているかのように
一切関わらなかった彼女が目の前で微笑んでいるのだから
『貴女に渡したいものがあって来たの』
そう言い、自らの鞄の中から何かを取り出そうとするクロウ
「(なんで私たちを避けてたのか
マルフォイとはどうなったのか)」
そんなクロウを目の前にしてハーマイオニーは
頭の中が質問したい事でいっぱいになってしまう
ｽｯ
『はい、プレゼント』
クロウがそう言い手渡したのは
綺麗にラッピングされた箱が入った紙袋だった
「ありがとう？」
クロウのショルダーバックにそんな容量があるとは思わず
ハーマイオニーの頭の中の質問リストに
新たに質問が追加されてしまう
『いつか使う時が来る筈だから』
そう言って席を立とうとするクロウの手を
慌てて掴むハーマイオニー
ｶﾞｼｯ
「…なんで…」
ハーマイオニーは咄嗟に噤む
その言葉を言ったら彼女を傷付けてしまうと思ったから
『…私が生きている事が誰かに迷惑をかける時がある
その時に思ってしまうの
私はこの世に生まれるべきでは無かったんじゃないかって』
穏やかに微笑みながらそう告げるクロウ
「そんな訳ｯ『えぇ、そうね』
悲しそうな声を出すハーマイオニーを遮るクロウ
『別に天文台の塔から飛び降りようなんて思ってないわ
私にはまだ、やらなければならない事があるもの
…ハーマイオニー、彼の隣にはいつも親友の貴方達がいた
貴方達は何があっても彼の側を離れないであげてね』
眉を下げ、そう笑い掛けるとクロウはその場を後にした
ｸﾞｼｬ
「……？」
ハーマイオニーはその背中にかける言葉が上手く思い付かず
貰った紙袋にしわがより、ふと中身に目が行く
ｶｻｯ
「貴女はいつも誰よりも先を見据えて行動するわよね…」
眉間に皺を寄せ、手に取ったカードを紙袋に戻し
勉強道具を片付け、図書室を出るハーマイオニー
―ハーマイオニー、頼りにしてるわ―
カードには綺麗な字でそう走り書きされていた
38.犠牲者の帰還→←36.『Nem’oubliez pas』 ドラコside
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ひみつ - この作品ずっと大好きで何周もしてます！更新ずっと待ちます (2月6日 0時) (
レス) @page41 id: b76ada1bfd (このIDを非表示/違反報告)
Moon(プロフ) - こんにちは(*ˊᵕˋ*)コメント失礼します🙇♀️とても、続きが気になるのでよろしくお願いします。m(_ _)m (2023年4月13日 13時) (レス) @page41 id: b2ea47ad96 (このIDを非表示/違反報告)
macaron - いつ見ても面白いです！！！更新は遅くてもいいので頑張ってください (2023年3月11日 0時) (レス) @page41 id: bd43d76e72 (このIDを非表示/違反報告)
かとうのすけ。(プロフ) - めっちゃこの作品📕大好きです♥️✨これからも応援します✴✋️ (2023年1月21日 22時) (レス) @page41 id: b6fe45c711 (このIDを非表示/違反報告)
ひなんぐ(プロフ) - このシリーズ大好きです！応援しています🥰 (2022年11月11日 10時) (レス) id: 992b5ebd96 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：戯言。 | 作成日時：2022年2月8日 13時
