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文次郎は私を抱えながら器用に布団を敷き、そこに私を寝かせてくれた。
『すみません……お手数おかけして……』
文次郎｢気にすんな｣
突っ立ったまま寝そべる私を見下ろす文次郎。……凄く狩られた獲物の気分。
文次郎｢他に何かすることは｣
『え"、いや本当に』
文次郎｢……伊作を呼んでくる｣
『あ"！？まって、それだけは！！』
文次郎｢フッ、なら早く言え｣
『ヴッ』
脅しか？脅しだな！？何だその勝ち誇ったような顔は！？いい顔だなぁおい！！！
『…………右側の棚の上から三番目、中央の引き出しに入っている薬を取っていただけると助かります』
文次郎｢おう｣
文次郎はどこか満足気な顔をしている。……何故私の扱いを分かったような感じなんだ。会ったのまだ二回目なのに……
文次郎｢持ってきたぞ｣
『ありがとうございます……』
錠剤なんてないから薬は全て粉末。ちょっと苦いけど新野先生や伊作が調合してくれた薬はとても効くから有難い。直にこの痛みも引くだろう。
文次郎｢それ本当に腹痛か？持病か何かか？｣
『あー……えっと、』
持病っちゃ持病なんだ。妙齢の女性がみんな抱えてるけど。生理を知らないわけじゃないだろうけど……デリケートな話だから男性に言うのって少し気が引ける。
文次郎｢なんだ、焦れったいな｣
『…………
チラと見上げながら言うと、彼は少し気まずそうな顔をした。
文次郎｢その……不躾な事を聞いてすまない｣
『いえ……』
｢──潮江くんにAさん、どうしたんですか？｣
｢『！』｣
微妙な雰囲気を突き破るように入ってきたのは新野先生。正直助かったけどいつ入ってきたの……？
文次郎｢私は特に……Aの体調が悪そうだったので。失礼します｣
文次郎は今だ、とばかりにそそくさと医務室を出ていった。
新野｢おやおや……Aさん、体調悪いんですか？｣
『……
新野｢あぁ、そうでしたか。薬は飲みましたか？｣
『はい。だいぶ良くなりました』
新野｢それは良かった。もう少しここで休んでいきますか？｣
『あー……いえ、自室へ戻ろうと思います』
新野｢分かりました。辛くなったらすぐに言うんですよ。お大事に｣
『ありがとうございます、新野先生』
ニコニコと微笑む新野先生と別れ医務室を後にする。
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蒼葉碧(プロフ) - みむまむにさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます〜！ヽ(^0^)ノ (2020年9月23日 8時) (
レス) id: 63148b8798 (このIDを非表示/違反報告)
みむまむに(プロフ) - すごく好きです！前作から引き続きずっと楽しいです！神作をありがとうございます！！ (2020年9月22日 21時) (レス) id: c45f50d5a3 (このIDを非表示/違反報告)
桜舞姫・蝶月姫(プロフ) - そっかぁ、簪の意味分からないかぁ、、、嫌われている所か....ねっ？ (2020年5月22日 20時) (レス) id: fcb098628f (このIDを非表示/違反報告)
蒼葉碧(プロフ) - nasiremonさん» ありがとうございます〜！´`* (2020年5月15日 23時) (レス) id: 63148b8798 (このIDを非表示/違反報告)
nasiremon - すごく面白いです！！ 伊作先輩と鉢屋がかっこいい！ (2020年5月15日 0時) (レス) id: fa0cba8ed9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼葉碧 | 作成日時：2020年3月5日 15時
