私立Ｊ学園＊Ｊ組 (ページ26)

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先生「阿部くん有難う！助かった！」

阿「いえ、お役に立てたみたいでよかったです。」

先生「じゃあ、さっき言ってた本は今度持って来るから」

阿「はい。お願いします。じゃあこれで失礼します。」

『…さっき言ってた本って？』

阿「専門書なんだけど普通の書店では扱ってなくて、先生が持ってるって言ってたから図書当番するから貸して下さいって言ってたの」

『専門書って…わたしにはきっとちんぷんかんぷんなんだろうな(笑)』

古本屋

阿「マスター、こんにちは」

マスター(以下マ)「あれ？阿部くん？今日バイトだったっけ？」

阿「いや、お休みなんですけど、友達が本探してて遊びに来ました」

『あ、こんにちは！』

マ「こんにちは。綺麗なお嬢さんだね。こんなお店でよかったらゆっくりしていってね。」

『はい、有難うございます。』

マスターはこんなお店なんて言ってたけどわたしの古本屋のイメージと全然違って埃臭くないし、見たことない洋書とかもあるし、奥にはちょっとしたカフェスペースがあったりしてとってもオシャレ。

阿「確かこの辺に…あ、Aあったよ！」

『あ、本当だ！これ教科書に載ってたやつだし短編集もある！』

阿「よかった、来た甲斐があったね」

『うん！他にも見てきてもいい？』

阿「もちろん。これレジで預かっとくね」

『ありがと！あ、画集もたくさんある～♪』

『結構な量になっちゃった(笑)』

マ「全部で6冊かな？じゃあお会計二千円でいいよ」

『えっ？この画集だけでも千円しますよ？』

マ「古本の値段なんて僕のさじ加減で決めてるようなものだしね、阿部くんの友達だから特別サービス」

『じゃあ大事に読ませていただきます。』

マ「うん。本も喜んでると思うよ。お嬢さん、コーヒーは飲めるかい？」

『あの…甘くすれば…』

マ「はっはっは！可愛らしいね！奥にどうぞ。阿部くんも。コーヒーも飲んで行ってよ」

阿「ありがとうございます。マスターのコーヒー本当美味しいから」

『すごい優しい人だね』

阿「うん。中学の時から気に入ってずっと通ってて高校生になったら絶対ここでマスターと一緒に働きたいって思ってたんだ」

『そう思う気持ちわかる気がする。とっても居心地いいね。』

マスターが淹れてくれたコーヒーはバニラシュガーが入ってて湯気と共にバニラの甘い香りがしてコーヒー苦手な私でもとっても美味しかった。

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