７２.冬美姉さん ページ27
ゆっくりと夢のことを話して、その夢が普通ではないことも伝え終わった。
話している間中、焦凍は私をあやすように背中をさすってくれていて本当に助かった。
多分、１人だったら私は……すでに壊れてたと思う。
「よし、じゃあ行くか」
『どこに？』
「姉さんのところ」
『……いや』
ギュッと焦凍の服を掴んで、拒む。
冬美姉さんに迷惑をかけたくない。っていう理由もあるけど、まだ２人でいたいっていう気持ちもあるから。
「……でも、その足の痣。湿布、貼らなきゃだろ？」
『…大丈夫だよ』
「お前はいつもそう言って聞かないんだ。嫌だって言っても連れて行くからな」
そう言って、焦凍は私を抱きかかえると部屋から出ようと立ち上がる。
お前のこういう行動力、どうかと思うよ。
そんなことを思いながらも、仕方がないと溜息をついた。
冬美姉さんの部屋に救急箱等が置いてあるから、どのみち行かなければならないのだ。
まぁ、深夜２時に冬美姉さんが起きているかはともかく。
『私、歩けるよ？』
「俺が、こうしたいんだ。ダメか？」
『……冬美姉さんの部屋前までね』
焦凍のしゅんっとした顔に弱いんだよなぁ、私って。
そんなことを考えていると。
すぐに、冬美姉さんの部屋について、下ろしてもらう。
『起きてるかな？』
「あぁ、多分」
『ん？そういえば、焦凍がこの時間まで起きているのって珍しいね』
「ちょっとな」
『ふぅん』
「入るぞ」
少し、はぐらかされたような気がするが、気にしないでおこう。
焦凍によって、開けられた襖からは淡い光が漏れてきて、冬美姉さんが机に向かっている姿が見て取れた。
「姉さん、ちょっといいか」
そう、焦凍が声をかけると、ビクッと肩を揺らしてイヤホンを外しながら冬美姉さんはこっちを向いた。
「驚いたー。こんな時間まで起きてたらダメじゃない」
『ごめん。冬美姉さん』
「悪い。湿布、貰いに来ただけだ」
「……湿布？」
「そうだ。あ、姉さんは聞いたことがあるか？夢のことが……ふぁにふる」
『ちょっと、色々あってね』
焦凍の口を塞いで、冬美姉さんにそう言う。
言葉を遮られた焦凍は何するんだと口をもごもごさせているが、この手を離すわけにはいかない。
なんで、夢のことを話そうとしてんだ。
「…まぁ、いいけど。どこに貼るの？」
『足首』
「あし…くび……？」
足首と聞いて、顔を真っ青にしていく冬美姉さん。
その手は震えていた。
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おつきみ(プロフ) - moeさん» ありがとうございます！！そう言ってもらえるととても嬉しいです！！これからもよろしくお願いしますm(__)m (2018年4月21日 17時) (
レス) id: 927d00d57e (このIDを非表示/違反報告)
moe(プロフ) - この作品、大好きです、 (2018年4月21日 11時) (レス) id: 32c275f53e (このIDを非表示/違反報告)
、 - 実在する人物、団体、アニメキャラ等を扱う二次創作になりますのでオリジナルフラグ外して下さい。違反行為で違反報告の対象になります (2018年3月26日 6時) (レス) id: 104648a3e7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おつきみ | 作成日時：2018年3月26日 1時
