episode5 ページ7
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ポートマフィア本部 二階 通信保管所にて
『……あ、あった』
山のように積んである記録書の中から目当ての資料を見つけ出し ファイルごと引っ張り出す
ファイルの背表紙には《ポートマフィア傘下組織》とラベルが貼られており、 私が殲滅を命じられた組織の情報が載っていた
パラパラと
『人数は40人、異能力者無し、重要人物無し、か。特に知りたい情報もないし…』
これは抹殺かな……
その時 軽快な電子音が聞こえたのと同時に保管所の扉が開いた
『え……』
この部屋の
しかし、その不審感も部屋に入室してきた人物を見て 1秒足らずで解消された
「やぁA。久しぶりだねぇ、随分成長したじゃないか」
『お久しぶりです、太宰さん。こんな所で何をしてるんですか』
部屋に入ってきたのは口元に笑みを浮かべ まるで私が此処に居たことを知っていたような口調で話す 元ポートマフィア幹部で地下牢に捕縛されてる筈の太宰さんだった
十数日振りに再会し、四年振りに会話した太宰さんは 記憶の中の其の人とは何処か違うような気がした
「少し気になることがあったので調べ物をしに。君は君の所用を済ませ給え」
『…………』
入水を試みたり、捕虜として捕まって居たのに易々と脱走し寧ろ情報を得るために内部へ進入してくる辺り 太宰さんが変わった と云うのは気のせいかもしれない
でもーー
『何云ってるんです、太宰さん。今や貴方は敵対組織の人間です。マフィアの機密情報を入手させるわけにはいきません』
素早く懐から拳銃を取り出し 太宰さんの頭に銃口を押し付ける
『大人しく地下牢へ戻ってもらいます』
太宰さんは素直に両手を上げるも、その口角は綺麗な弧を描いている
「その身のこなし…流石マフィアきっての体術使いに教え込まれただけはある。只 私を捕らえるのにはあと一歩足りないけどね」
『……』
私の外套の右ポケット、と云われ手を入れると 其処には小型の録音機が仕込まれていた
視線に促されて再生させれば、〈二度目は無くってよ!〉と何処ぞのお嬢様が使いそうな台詞が録音されていて。
「中也だよ、其れ」
私が拳銃を下ろし 録音機を何度も再生させたのは云うまでもない
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きなこもち(プロフ) - わたあめさん» ブックマンJr.放置していてすみません。最近自分でも迷走しててどこに突っ走っているのかわからなくなり放置状態にしてました。真逆更新待って下さる方がいるとは思わず・・・。でも、とても嬉しいお言葉です!頑張って今月中に更新します!! (2017年8月17日 7時) (レス) id: d6a64bf75c (このIDを非表示/違反報告)
わたあめ - ごめんなさい!生意気言って,,, (2017年8月16日 21時) (レス) id: 8f5f7e0649 (このIDを非表示/違反報告)
わたあめ - ブックマンJrの少女も更新して欲しいです!! (2017年8月16日 21時) (レス) id: 8f5f7e0649 (このIDを非表示/違反報告)
きなこもち(プロフ) - 赤雲蒼雲さん» 赤雲さん、ありがとうございます!とっても励みになりました!!更新とってもノロノロですが、これからも面白いと思って頂けるよう頑張ります! (2017年4月22日 19時) (レス) id: d6a64bf75c (このIDを非表示/違反報告)
赤雲蒼雲 - 面白かったです!更新頑張ってください! (2017年4月17日 11時) (レス) id: 08e4520087 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きなこもち | 作成日時:2017年1月2日 21時