episode9 ページ11
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『へぇ、お洒落なお店だね』
「外装だけじゃなくて店内も素敵ですよ」
美味しい洋菓子があるんです、と云われて連れてこられたのは アールデコ調の喫茶“うずまき”
どうぞ、と扉を開けて中へ入るように促してくれるあたり彼は紳士的なのかもしれない
礼を云ってから店内に入ると、確かに落ち着いた雰囲気で趣のある素敵な所だ
「美しき人よ！是非私と心中して頂きたい！」
この妙に聞き覚えのある声さえ聞こえなければ。
『……やっぱりお礼は、洋菓子じゃなくて和菓子がいいな！うん、そうしよう』
「え、でも……」
またいつか街で会った時に誘ってよ、と勝手に話を切り上げ先程入ったばかりの店内から出ていこうとするも何故か手首をガッシリ掴まれそれは叶わず。
振り返れば其処にいたのはいつの間に近くに来ていたのか 先程まで何処ぞの死にたがりに心中話を持ちかけられていた給仕さんで。
「お客様、喫茶“うずまき”では洋菓子だけでなく美味しい和菓子もご用意出来ますよ。是非ご賞味ください」
にこりと満面の笑みを貼り付けた彼女の目には“客は1人たりとも逃がさない”と決意の意思が伺える。
掴まれた手首が、とてつもなく痛い。
「おやおや、給仕さんがいきなり走って行っちゃうから何事かと思えば……」
そして、店の奥から聞こえるのはやっぱり聞き覚えのありすぎる声
「何やら楽しそうだねぇ、是非私もまぜてほしいなー」
「だ、太宰さん！？」
『全力でお断りします』
突然の登場に目を丸くして驚く人虎くんと 心底嫌そうな顔で不機嫌を露わにする私を見て、何が面白いのかニコリとその人は微笑む
「いいのかなぁ、A。私にそんな態度取っちゃって。きっと君は3秒後にその場にいることを後悔するよ」
はぁ？何云ってんだこいつは。
3秒後、不審な目で太宰さんを見つめた私の顔面に衝撃が走った
比喩的ではなく物理的に。
「此処におったか、この唐変木！！何度云えば分かる、俺に仕事を押し付けるな！！！」
耳に響く怒号とズキズキと痛む顔。
正気を保っていない“うずまき”への新たな来客が扉を勢いよく開けた為に近くにいた私が扉に顔面をクリーンヒットさせる被害にあったのだと。
状況を理解したのは私がその新たな来客に向かって回し蹴りを炸裂させた後だった
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きなこもち(プロフ) - わたあめさん» ブックマンJr.放置していてすみません。最近自分でも迷走しててどこに突っ走っているのかわからなくなり放置状態にしてました。真逆更新待って下さる方がいるとは思わず・・・。でも、とても嬉しいお言葉です！頑張って今月中に更新します！！ (2017年8月17日 7時) (
レス) id: d6a64bf75c (このIDを非表示/違反報告)
わたあめ - ごめんなさい！生意気言って,,, (2017年8月16日 21時) (レス) id: 8f5f7e0649 (このIDを非表示/違反報告)
わたあめ - ブックマンJrの少女も更新して欲しいです!! (2017年8月16日 21時) (レス) id: 8f5f7e0649 (このIDを非表示/違反報告)
きなこもち(プロフ) - 赤雲蒼雲さん» 赤雲さん、ありがとうございます！とっても励みになりました！！更新とってもノロノロですが、これからも面白いと思って頂けるよう頑張ります！ (2017年4月22日 19時) (レス) id: d6a64bf75c (このIDを非表示/違反報告)
赤雲蒼雲 - 面白かったです！更新頑張ってください！ (2017年4月17日 11時) (レス) id: 08e4520087 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きなこもち | 作成日時：2017年1月2日 21時
