じゅにあ日記。【4冊目】

阿部顕嵐 × キス ページ4

キスーー




恋人同士がするもの





夫婦がするもの





または、浮気の時も





キスのほとんどはお互いを思う気持ちから






私の場合はーーー？









・









"風邪引いた"









幼馴染から連絡が来て彼の部屋に向かう







「...顕嵐？」





顕嵐「...早く」





ベッドに座る顕嵐に近づくと彼は私を急かすように腕を引く





私の体はそのまま顕嵐に密着する






顕嵐「明日リハなの」






好きという気持ちを隠して私は今日も顕嵐の風邪を取り除くんだ







「んっ...」







唇が触れたかと思えば角度を変えて離れない






勘違いしてはいけない、それだけを思って顕嵐に応えるんだ






顕嵐「...もっと」






「あ、らっ...」






ぐっと後頭部を抑えられキスしたままベッドに押し倒され、顕嵐の舌が絡められる







いつもより長いキスに私は酔っていた









・









「朝...？」





夜と同じ部屋で朝を迎えた




シングルベッドにいる私の隣には人がいた跡があった





顕嵐、行っちゃったんだ...





顕嵐が風邪をひいた時に呼び出されてキスをして私に移す





そして同じベッドで朝を迎え顕嵐は私が目覚める前にいなくなる






これが私の日常で、私の中のキスはこういう意味






ガチャ









顕嵐「...おはよ」






「顕嵐...」





顕嵐「俺もうそろそろ出るから」




「わかった」





朝が苦手な顕嵐は少し不機嫌ながらもせっせと準備を進めている





「具合は...どう？」





顕嵐「だいぶ良くなった」





「そっか、よかった」




顕嵐「ありがと」





所詮こんな関係なんだ





顕嵐は私の事道具としか思ってなくて、キスで関係を作る自分に嫌気がさしてしまう






苦しいのに、顕嵐と離れたくなくて続けてしまう







顕嵐「...ごめんな、いつも」







「え...」





顕嵐「嫌なら嫌ってちゃんと言わないと...期待、するから」








一瞬だけ目を合わせて出てってしまった









「期待してよ...」









私の声が顕嵐に届くことはなかった









"好き"









顕嵐からの連絡に気づくのはもう少し後ーー

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