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事件9件目 ページ10

事件が解決して彼女から連絡が来た日の夜
どう返信しようか迷っていた
こんなにも1つの返事にグルグルと考えているなんて
昔の自分は思いもしなかっただろうと思うくらい迷っている

「うーん...」

良い大人がスマホとにらめっこ状態である
側から見たらおかしいと思う状況にフッと自嘲する

普通でいい
普通の方がきっと彼女も話しやすい
そう思って
【お疲れ様です。早く解決できて良かったです。お互い仕事頑張りましょう】
と打ち込んで送信した

自分は気づく
彼女はなぜ自分が仕事をしている事を知っているのだろうと思うのではないか
やらかしてしまった気分になった

「はぁ...」

テーブルにスマホを置き頭を抱える
お店に行ったのは一回だけ
それでも彼女を見つけて覚えているなんて思われたら
とんでもなく恥ずかしい

ピコンとスマホの音がなった

くろみや
【神谷さんが担当で良かったです!
そうですね!お互い頑張りましょう】

返信に心が踊った
なんとなく気分が上がる気がして
メールの一つ一つに悩んだり落ち込んだり嬉しくなったりと
学生時代の恋愛をしているようだ

「フッ...私が担当で良かった、か」

お互い一緒の想いなんではないか
なんて思わせるような返信に

【もしよろしければ、明日のお昼過ぎにでもお茶しませんか】

と震える手で送信してスマホを置く
ピコンと音がしたが断れたらショックすぎるし良いと言われても嬉しすぎてどうにかなりそうだったため
スマホをしばらく見れなかった

でも
お茶したいのは
貴方の事をもっと知りたいから
もっと貴方と近づきたいから
貴方をもっと見ていたいから

ああ
もう手遅れだ

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作者名:微炭酸 | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2019年8月19日 20時

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