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事件26件目 ページ27

神谷「A、話したいことがあるんだけど」

朝起きるとマサが食事を作ってくれていた
私が起きて朝食をつくる時間なので出勤時間までかなり時間がある

「どうしたのいきなり」

もしかして別れ話かな
でも最近喧嘩してないし
なんの話なんだろう
そう思ってマサの正面の椅子に座った

神谷「俺、さ」

歯切れが悪い言い方をしたマサ
刑事として
警察として
してはいけない事をしたと私に伝えた
それは私にとっても少しショックな事で
でもちゃんと反省してるのだって感じた

神谷「何を言われても構わない。俺はそれ当然のことをしたまでだから。Aにだって何言われても」

「マサ」

神谷「...」

少し柔らかい口調で声色で名前を呼べば
眉間にシワを寄せて歯を食いしばっているマサの顔が私に向けられる
そんな表情させたいわけじゃないのに

「私はマサに色々迷惑かけてきたから、私はマサに対して強くは言えないよ」

神谷「でも」

「マサは反省してるんでしょ?」

しちゃいけないことをして
その罪悪感から逃れたいけど
それを知られた榎本さんから良いように使われてる
だから昨日連れてきたのだとは思うけど

神谷「反省してる」

「でしょ?だったら良いじゃん」

神谷「え」

机の上に置かれたマサの手にソッと私の手を重ねる
マサの手の方が大きくて全部触れることはできなかったけど
マサの心には全部触れてあげたい
不安や罪悪感なんて全部拭ってあげたい

「反省してるならいいよ。私は警察じゃないしこれからのマサを見張ることなんてずっとはできないから」

「でも、これからの生活で一生したくないって事はしないでしょ?私にとってはもう過去の話だから、これからしなきゃ私は良いよ」

「ダメな事分かってるなら良いんだよ。そのダメな事は消えないけど、これから心機一転していけば大丈夫だよ」

ね?っと聞けば驚いたように私を見た
正義感が強いのも
負けず嫌いなのも
全部知ってるから
大丈夫
あなたの不安は
私が全部取り払うから

「そんな顔しないで、マサ」

神谷「...俺ってホント恵まれてる」

片手の掌で顔全体を隠すように
彼はわんわん泣いた
私はずっとマサの手を触れていた

彼が泣き終えたのは
彼が作った朝ごはんが完全に冷めてしまってから
もう一度温め直して
2人で笑ってご飯を食べた

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作者名:微炭酸 | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2019年8月19日 20時

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