事件1件目 ページ2
いつもと同じ時間
いつもと同じ風景に
いつもと同じくアラームの音
スマホから出る音をピタッと止めて彼の腕の中から出る
今日はあいにく仕事
今日も、か
それは彼も同じ
昨日脱ぎ捨てられた服を拾い集め
クローゼットから下着と服を取り出して着る
昨日も散々だったな
なんて思いながらかき集めた服を持って部屋を出た
洗濯機に放り込んだ服と洗剤
スイッチを押してキッチンに向かう
後はご飯を作ってと
冷蔵庫から卵と牛乳を取り出す
起きてくるのは20分後
彼は朝はご飯派だ
だが昨日は無理やり付き合わされたからパンにしてやろうと思って
フレンチトーストを作る
本来ならご飯を炊くはずだったのだ
その前にスイッチが入ってしまった彼を止める術は無かった
「おはよ、マサ。ちょうど出来てるよ」
神谷「おはよ」
先に完成した一人分のお皿をマサが座った前に置く
でもマサは1人では食べない
私の分が出来るまで待つのだ
「いただきます」
神谷「いただきます」
2人で机を挟んで
2人で一緒に食べる
それが私たちの暗黙のルールである
神谷「…うまい…」
「それは良かった」
マサに美味しいと言ってもらえるのは嬉しい
作ったかいがあるくらい食べてくれる
ほんとにそんな量どこに入るのか謎なくらい食べる
神谷「今日ご飯じゃない」
「昨日ご飯炊けなかったんです〜誰かさんのせいで」
嫌味っぽく言うとマサは私のフレンチトーストを1切れ取って言った
神谷「満更でもなさそうだったけど?」
ごちそうさまでした
そう言って薄く笑いながらマサはお皿を持ってシンクに向かった
朝から恥ずかしいこと思い出させるな〜なんて思って空いたお皿をマサに託した
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