第17話─弱い─ ページ18
俺の腕の中で泣いてる奴は、落ち着いたかと思ったら、まだ抱きついている。
「泣くのもいいけどよ、あンま泣くと、疲れちまうぜ」
「泣いてっ、なンか、...ない!」
「嗚咽漏らしてるくせに何云ってンだよ、ピーピー泣いてるじゃねぇか」
「僕は鳥じゃない!!!」
そんな会話をして、まだ頬には泣いた痕はくっきりの癖して表情は雲ひとつなく晴れた晴天のような顔だった。
「ピーピー泣いてる鳥助が」
「だから、僕は鳥じゃなぃって云ってるだろ!!!!!」
そんな会話して、俺は。
「ふっ、」
Aの頭を撫でた。其奴は、不機嫌そうにそっぽ向いたくせに、口元が少し笑ってた。俺は救急箱を片してAの執務室を出る。
「なんで急に私の部屋なんかに、」
「お前のせいで元部下の後処理が大変だったから一発殴ってやろう思ったんだよ、そしたら、手前・・・・・・っ、たく、このまま落ち着いて寝とけ、じゃねえと任務終わり手前に一発流れ弾をお見舞いしてやるからな?」
「ひゃぁ〜怖い怖い、」
なんも思ってないのに、顔だけその面して蹲った。俺は何も云わず部屋を出た。部屋の扉を閉めた時、ふと扉に寄りかかってため息を吐いて帽子を目元を隠すように深く被った。
そして、その場から離れたら、目の前に黒い外套がゆらゆらと鋭い眼光を散らつかす芥川の姿だった。
「芥川!」
「僕に何の用ですか、」
警戒するように目が鋭くなった。そんな警戒することねぇのにな。
「頼むが、俺が任務行ってる間Aの事見といてくれねぇか?」
「僕が彼奴をですか?」
「あぁ、」
少し目元が動いて目線が俺から外れて、目が揺らいだ。だが、また元の顔に戻って。
「頼みならば仕方ありません、分かりました」
「頼むな」
俺はその場から離れていった。全て、彼奴が変わったのは、太宰が変わったからなのだろうか。
糞太宰が、Aを連れて行ったらどうなっていたのか。
消えないAの温もりと、俺を見つめる弱った潤んだ瞳に俺は少し胸が締め付けられる感覚に、燃えるような苦しさがあった。
「チッ、これから戦場っつのに、莫迦だな。俺」
そう、呟いた俺は銃に弾を詰めていた。
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うり太郎(プロフ) - まだ設定しか読んでいないのですが、純粋に異能力多すぎでは・・・?ただ思っただけなので、特に気に止めて頂かなくて結構です。 (2021年11月14日 21時) (レス) @page1 id: ccbe99882f (このIDを非表示/違反報告)
華紅薇(プロフ) - ともさん» ともさん!!コメントありがとうございます!一気に読んでくださったんですか!ありがとうございます(*^^*) (2021年9月6日 18時) (レス) id: b469182880 (このIDを非表示/違反報告)
とも - おもしろくて一気に読みました!更新楽しみにしてます!! (2021年9月6日 0時) (レス) id: 17c26d4027 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:魚Aya | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/maasasr/
作成日時:2021年8月14日 0時