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第10話─赤く─ ページ11

銃口を上に向けて、少し後ろに倒してみると、ガチャっと銃の金属音がした。




「どちらが良い?苦しんで死ぬのと、楽して死ぬの...10、」


急にカウトダウンが始まって、顔が歪んでいるのに余計歪んで目が見開いた。私を見る目が変わった。恐怖の対象を見る目だ。


「9、8、7、」


黒服「御願いっ、しますっ、幹部、」


「6、5、4、3、2、1、」


男の耳元に近づいて云った。


「時間だ、」


立ち上がってそいつを見下ろした。男は最後の抵抗なのだろうか、悲しんで、怯えて、そして、私を恨む顔をしていた。その顔を何度見ても笑える、その顔が私をより人殺しの道へと誘うのを知らない癖に。男に向けて発泡した。何発と、男の躰に穴が空いた。そして、そこから飛び散る紅い鮮血。


撃たれた衝撃で男の躰は暴れるようにバタバタと動いた。


其れがとてつもなく愉快だった。そして、いずれカチカチ、と引き金を引いても弾切れの音がした。


男は死んだ。私は、其れを見て、息を吐いた。また死骸が出た。面倒臭いんだよな。後処理......。


そして、すぐ側にいた黒服の額にも銃口をつけた。

黒服「ヒッ...!!?」


「ねぇ、君も云ってたでしょ?僕が醜いと、汚いと、そして、死んでしまえと、そう思ってて、僕のこと云ったでしょ!?ね!!」


強く男の額に押付けた。此奴も殺してやる。引き金にかけた指に力を入れる。



そこから、私の手から銃が消えた。




いや、正しくは蹴り飛ばされたのだ。遠くの方に銃が飛んでいき、無造作な音が響く。私は右を向く。


そしてもう分かっているので、ソイツの名を呼んだ。




「やぁ、中也」


手前(テメェ)、部下を殺しすぎだ、いい加減にしろ」


夕焼けのように綺麗な橙色が澄み渡る髪が目に入り、遂にはぎらりと睨む目が私を見た。


少し蹴りの足が右手に当たり、ちょっと痛かった。けど、右手首を動かすとズキンッと痛い。



其れを肩にかけて垂れてる外套の内側に隠す。そして、其の儘男から"中也"と呼ばれる男に目を向けた。


「殺しすぎ?其れに、部下って云っても、僕を悪く云う他に、元幹部さんの悪口云ってたんだよ?許されること?其れは別に彼奴だからとかじゃなくて、ポートマフィアの威厳として、そんなの野放しにしていいの?悪い子にはお仕置が必要でしょ?(しつけ)が、だから、教えてあげてんの、此処の幹部に反したこと云ったらどうなるか」

第11話─まるで─→←第9話─黒く─



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うり太郎(プロフ) - まだ設定しか読んでいないのですが、純粋に異能力多すぎでは・・・?ただ思っただけなので、特に気に止めて頂かなくて結構です。 (2021年11月14日 21時) (レス) @page1 id: ccbe99882f (このIDを非表示/違反報告)
華紅薇(プロフ) - ともさん» ともさん!!コメントありがとうございます!一気に読んでくださったんですか!ありがとうございます(*^^*) (2021年9月6日 18時) (レス) id: b469182880 (このIDを非表示/違反報告)
とも - おもしろくて一気に読みました!更新楽しみにしてます!! (2021年9月6日 0時) (レス) id: 17c26d4027 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:魚Aya | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/maasasr/  
作成日時:2021年8月14日 0時

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