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ビルとフラーが結婚することになって、Aが2人を祝福しているのを見て俺は一安心した。これで、きっと大丈夫だと。そう思った。
でも、その夜のビルとAの会話を偶然聞いてしまった。ビルがAに感謝を伝え、彼女は何かに気づいてしまったように顔が真っ白だった。ビルはそれには気づかないようで、Aはそれを必死に隠すように笑って、時計に目をやり、2人はそれぞれ部屋に戻った。
Aがビルの前で無理して笑っているのを、俺はその日初めて見た。
2人を祝福する声が辺りに響き渡っている。陽気な音楽と人々の歓声。こんな時だからこそ、人々はこの一瞬一瞬を楽しむようにしている。
Aがどこで何をしているのかが気になっていた。1人で何を考えいるのだろう。うろうろしながら、探していると、小走りでテントから出て行く1人の女性を見つけた。
後をそっと付けると、皆の声が遠ざかった所で、1人でぼぅっとしていた。苦しそうに見えたその表情に胸が締め付けられた。空を仰いだその瞬間、Aの顔が顕になり、目に大粒の涙を溜めているのが分かった。
Aはきっと俺になんて、抱きしめてほしくはないだろう。でも、彼女をずっと見てきたのは俺だから。無理すると全部抱え込むところも、いつも前向きに見えて、影で悩んでるところも、仲間想いで優しいところも、綺麗な笑顔も、全部知ってる。
だから、
「…ごめんっ、」
勢いのまま抱きつきて、その小さな背中に腕を回す。
「、ジョー…ジ、?」
何が起きているのか分からないようだ。きっと自分が泣いていることに気づいていない。Aはそういう人だ。
「A、泣いてるの気づいてないだろ？」
「は？私、泣いてなんて…」
反論したものの、我に返ったところでようやく自分の頬が濡れていることに気づいたらしい。俺の事を頼りにしてくれているのかは分からないが、安心して涙が急に溢れ出してしまったようで、俺の胸の中で彼女は声を押し殺して泣いていた。
あまりに健気で、切なくて、見ていて辛かった。
「……A」
ビルのようにスマートにはいかないけど、背中をさすってあげた。少しでも楽になってほしかった。
「…っ、すきだよ、ビル」
そんなの、
俺の方が泣いてしまいそうだ。
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フォイの許嫁(プロフ) - どのお話も切な過ぎて泣きそうです.....😭 (4月21日 14時) (
レス) @page22 id: 8a6381d4ef (このIDを非表示/違反報告)
霞(プロフ) - スピカブラックさん» 記載出来ていたつもりが、出来ていなかったようですみません。リクエストにお応えするつもりは今のところありません。遅筆ですし、不定期に気分で書いているので催促はやめていただけると嬉しいです。私の注意不足ですみません💦 (2022年11月14日 13時) (レス) id: 15ecf1a3d4 (このIDを非表示/違反報告)
スピカブラック - 霞さん» まだですか？ (2022年10月3日 8時) (レス) id: 7ca7b99cb8 (このIDを非表示/違反報告)
スピカブラック - リクエストでスネイプ先生書いて欲しいです！ (2022年9月21日 14時) (レス) id: 7ca7b99cb8 (このIDを非表示/違反報告)
岡Ｐ(プロフ) - どのお話も素敵で感動しました。これからも素敵なお話楽しみにしています。 (2022年9月21日 3時) (レス) id: e3d27a2b53 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：霞 | 作成日時：2021年1月17日 23時
