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お見合い42 ページ42

____涙の呼吸、漆ノ型、『五月雨』




鬼を攻撃を全て受け流す。


降っているかわからない五月雨の如く、

相手も私も衝撃を受けないように刀であしらう。





鬼「クソッ、クソッ……!!

熱い、熱い……っ!!クソォォッッ!!」




A「……っ」





鬼が一度跳び、私と距離をとる。




この山は、葉が生い茂り昼間でも暗い。

日の光はわずかにしか入らないが、それでも鬼には辛いだろう。



……これ以上、彼を苦しめたくはない。


鬼が昼間に特定の人物を襲うなんて、普通しない。





鬼「早く、早くお前をあの方の元へ……っ!

でないと、俺が殺される!!」




A「!」





……そうか、あの瞳は、殺意では無いのか。


あれは、焦燥感だ。

どれだけ追い詰められれば、大嫌いな日の下にもでないといけなくなるのだろう。



私が君を救うから。




____涙の呼吸、陸ノ型、『泣き笑い』




せめて、穏やかに。



ゴトリ、という音と共に鬼の首が落ちる。

私は刀の血を拭うと、鞘に収めた。





鬼「嫌だ……嫌だ、死にたくない……。

熱い、助けてくれ……」





鬼の悲しそうな声が聞こえる。



私は鬼の首をそっと拾うと、

体の近くにおいて羽織で日陰をつくった。





A「気休めですが、これで先程よりは熱くないでしょう?


死は終わりではありません。

次の命の始まりです。


もう、苦しまなくていいんです」




鬼「どうして……どうして、優しくするんだ」




A「私は貴方を救いたい。

貴方が穏やかに逝けるようお祈り申し上げます」





私はそう言うと、彼に微笑んだ。


次は、平和な世界に生まれることを願ってる。

貴方が笑顔で暮らせるように。





鬼「最期が……お前で良かった。

今のほうが、生きてる時より……楽だ、な……」




A「ええ」





彼の体がぼろぼろと崩れていく。



彼の手が私の腕をそっと触れた。




そして、微かな声で……





鬼「……あの、お方が…お前を、探して………気を、つけ…ろ」




A「?」





そう言うと、彼は完全に消えてしまった。

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渡邉 なちゅ。(プロフ) - 花帆さん» ありがとうございます!その件に関しては、二巻のほうで続きが若干書かれています。そうですね、自分たちを重ねて、この二人には生きて欲しいと心の中で思っていそうですね! (2019年9月7日 9時) (レス) id: 1c6c46020b (このIDを非表示/違反報告)
渡邉 なちゅ。(プロフ) - バナナ さん» ありがとうございます!毎日できるだけ更新しますので、楽しんで頂けると嬉しいです! (2019年9月7日 9時) (レス) id: 1c6c46020b (このIDを非表示/違反報告)
花帆 - 面白いです!善逸くんと他の子がデートしてたぽいのが、後にどうなるのか…気になります!! 夢主さんとお兄さん仲良すぎて辛い…(つд;*)炭治郎と禰豆子と重なったりしそう…(泣) 続編も楽しみです(o>ω<o) (2019年9月7日 4時) (レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)
バナナ - すごく面白い!更新楽しみです! (2019年9月6日 22時) (レス) id: 4fbc396aff (このIDを非表示/違反報告)
渡邉 なちゅ。(プロフ) - こんなんでどうですか。サブさん» ストレートな告白ありがとうございます!応援ありがとうございます!とっても嬉しいです!投票をして頂き感謝感激雨あられでございます! (2019年9月4日 23時) (レス) id: 1c6c46020b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:渡邉 なちゅ。 | 作成日時:2019年8月30日 7時

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