お見合い相手が泣き虫な金髪君だった

お見合い３４ ページ34

お館様「『真っ黒な心』とは、どういうことかな」




A「っ！！」





その時、うっかり口を滑らしたことがわかった。


柱の視線が全て私に突き刺さる。



私は自分の口を手で覆った。




その時、不死川がニヤリと笑ったのが見える。


まさか……これを言わせるためにわざと私を感情的にさせたのか……！？





A「違います、言葉の綾といいますか……」




煉獄「それは嘘だと見なしていいかい？」




A「！」





言葉が詰まって、私は視線が泳いだ。



どこに視線を向けても、

ちらちらと視界をよぎる黒い心。



……私は、これが嫌だった。

黒い心を見ると気分が悪くなる。


だから、人と馴れ合うのをやめた。

人と接しなければ、黒い心を見なくてすむから。





善逸『Aさん！』





……善逸さんが現れるまでは、そうだった。



善逸さんに会いたい。

ちゃんと元気になった姿を見たい。


だから……まだ死ねない、死にたくない。





お館様「A、何があっても私はお前を見捨てたり、殺したりはしないよ。



ただ、知りたいだけさ。お前が抱えているものを」




A「！」





私はお館様を見た。



お館様には、いつもの変わりない真っ白な心がある。


大丈夫、きっと大丈夫。





A「……私は、人の心が見えます」




柱一同「！？」





全て、吐き出せばいい。


お館様は嘘をつかないから。





A「私には、人の心が白か黒の色で見えます。

どんな基準で色別になるかは、私自身でもわかりません。



今ここにいる方々で言うならば、

私にはお館様以外の心が真っ黒に見えます。


また、炭治郎と禰豆子は白です」




宇隨「おいおい、基準がわからねぇなら白黒どっちでもいいだろ」




A「今までの経験上、


黒い心を持っている人とは馬が合わず、

また傍にいるだけで気分が悪くなります。


白い心を持っている人は、四人だけでした」





私がそう言うと、柱はざわついた。

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