お見合い相手が泣き虫な金髪君だった

お見合い２７ ページ27

A「お館様、失礼します」




お館様「Aだね」





「お入り」という言葉の後に、私は静かに襖を開けた。


私は一礼してから、部屋へと入る。




そして、私は目の前の光景に眉をひそめた。





A「柱……」




娘「今は柱合会議の前です。

竈門炭治郎の裁判を行っている最中でございます」





お館様の娘が私にそう言う。



私はその言葉にハッとして二人を探すと、

不死川さんに頭を押さえつけられている炭治郎君を見つけた。





不死川「なんで此処に雨仁が……」




お館様「Aから緊急で言付けを貰ってね。


『雨仁Aの命をかけるから、

炭治郎と禰豆子を殺さないで欲しい』と言われたんだ」




柱一同「！？」





お館様が「そうだよね？」と私に問うので、

「左様でございます」と頭を下げながら答えた。





お館様「つまり、元柱の育手、現水柱、貴重な戦力であるAの命が、禰豆子の首にかけられている。


その首の重さ、わかるよね？



それに、私は嬉しいんだ。

Aからお願い事をされたのは初めてだからね」





お館様はそう言って、優しく微笑んだ。





不死川「どういう風の吹き回しだ、雨仁。


今まで柱になることを拒み、

鬼殺隊に迷惑をかけておいて願い事を聞けとは良い身分だな」




A「……」




不死川「なんとか言えよ、このクソアマがぁっ！！」





私はふいと顔を背ける。



その様子に甘露寺さんが「ブフッ」と吹き出した。




お生憎、野蛮人と話す言語を知らないものでね。





お館様「わかってくれたかな」





お館様は静かにそう告げた。



……すみません、終わったなら帰っていいですか。

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