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お見合い12 ページ12

涙の呼吸、壱ノ型、『涙拭(なだぬぐ)い』




ゴトリ、と鈍い音がして首が落ちた。


私は刃についた血を手拭いで拭き取ると、刀を鞘へと収めた。





鬼「……俺は斬られた、のか」




A「痛くなかったですか」





私は鬼へと向き直り、彼の元へしゃがむ。





鬼「俺は、まだ死ねない……。まだ、まだ……」





鬼がそう言うと、切り離された体の手の平が動く。



私は鬼の頬を撫でた。





A「この先にある村は、山賊によく女を攫われたそうですね。


それが、いつの間にか攫われなくなった。



それは、貴方がその村を守っていたから。

貴方が山賊を倒していたからなのでしょう」





そして、私は斬った鬼の走馬灯を見ることができる。



そこには、女を助ける鬼の姿があった。





鬼「まだ、まだ助けるんだ。


妹のように……俺の妹のように、

彼女達が傷つかないように……っ!」





鬼の瞳から涙が流れていた。




最愛の妹が山賊に殺された。


男が家を空け、妹が彼の帰りを待っている時だった。



男は、すぐに妹を探しに向かった。


そして、この山を通った時、山賊に連れていかれる妹を見た。



妹を助けようとした時、

山賊はあまりに抵抗をする少女に痺れを切らし、その首を斬りつけた。



それに怒り狂った男は、山賊をその手で葬った。


……でも、妹はすでに帰らぬ人となっていた。




それが、許せなかったんだ。



彼は、自分のように悲しむ人がいなくなるよう、

女を攫う山賊を見つけては殺して食った。





A「もういいじゃないですか」




鬼「まだだ!まだ殺してやる!」





男は、そう叫んだ。



違う。もういいんだよ。


貴方は、もう十分頑張ったから。





鬼「俺は悪くない!なのに、なんで殺したんだ!

お前なら、お前はわかってくれるだろ!?」




A「……貴方が悪い人でないことはわかります。


でも、貴方はもう逝くべきだ。



だって、そうじゃないと妹さんも逝けないから」




鬼「!」





私はそう言って、彼に微笑んだ。

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渡邉 なちゅ。(プロフ) - 花帆さん» ありがとうございます!その件に関しては、二巻のほうで続きが若干書かれています。そうですね、自分たちを重ねて、この二人には生きて欲しいと心の中で思っていそうですね! (2019年9月7日 9時) (レス) id: 1c6c46020b (このIDを非表示/違反報告)
渡邉 なちゅ。(プロフ) - バナナ さん» ありがとうございます!毎日できるだけ更新しますので、楽しんで頂けると嬉しいです! (2019年9月7日 9時) (レス) id: 1c6c46020b (このIDを非表示/違反報告)
花帆 - 面白いです!善逸くんと他の子がデートしてたぽいのが、後にどうなるのか…気になります!! 夢主さんとお兄さん仲良すぎて辛い…(つд;*)炭治郎と禰豆子と重なったりしそう…(泣) 続編も楽しみです(o>ω<o) (2019年9月7日 4時) (レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)
バナナ - すごく面白い!更新楽しみです! (2019年9月6日 22時) (レス) id: 4fbc396aff (このIDを非表示/違反報告)
渡邉 なちゅ。(プロフ) - こんなんでどうですか。サブさん» ストレートな告白ありがとうございます!応援ありがとうございます!とっても嬉しいです!投票をして頂き感謝感激雨あられでございます! (2019年9月4日 23時) (レス) id: 1c6c46020b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:渡邉 なちゅ。 | 作成日時:2019年8月30日 7時

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