すれ違い、愛し合い。

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「『かんぱーいっ』」






それから仕事の話やサークルでの話で盛り上がって。









「Aっていま、付き合ってる人いないの？」


『いませんっ』


「そーなんだー。
てっきりいるのかと思ってた」


『…先輩こそどうなんですか？』


「しばらく居ないかな」


『えぇ、意外ですねっ』


「そう？」


『大学の頃、彼女居ましたよね…？』


「うん、でも少ししか続かなかったなー」









今でも覚えてる。


先輩に憧れて、思いを寄せてたあの頃
ラウンジで彼女と楽しそうに話してるのをよく見かけた。









先輩の性格からして彼女なんて居て当たり前だけど
あの時はすっごいショックだったなぁ。









けどしばらくして別れたって聞いて
少しでも喜んでしまった自分がいた。









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「あの時さ、彼女と別れてから
しばらく恋愛はいいやって思ってたんだよね」


『その時の彼女さんと何かあったんですか？』


「そういうわけじゃないよ。
付き合って誰かを幸せにする自信がなかったんだ」


『そうなんですか…？
先輩、優しいし私は一緒に居てすごく楽しいです』


「ふふ、嬉しいなあ」









あれっ、なんか勢いに任せて
私すごいこと言っちゃった！？









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『そういえば、ずっと聞きたかったこと
あるんですけど聞いてもいいですか？』


「え、なに？」


『…涼矢先輩って、なっちゃんのこと好きでしたか？』


「なつき？確かに仲は良かったけど。
後輩として、かな？」


『えぇ、そうなんですか！？』


「そんな驚く？」


『なっちゃんのこと、好きなんだと思ってました』


「それは誤解だよー
あの時は俺、Aのこと好きだったもんっ」


『…えっ？』


「ふふ、びっくりした？
なつきには、よく相談乗ってもらってた」


『…びっくり、しました』


「やっぱ俺の想いは届いてなかったかー」









嘘でしょ、？


大学時代ずっと思ってた先輩も
私のことを思ってくれてたの…？





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