すれ違い、愛し合い。

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『宏光…？』


「ごめん…っ」




これ以上、この場に居られなくて。




『今日は、帰ろう？』


「…もう、俺ら会えない？」



なんて、見たこともないくらい弱気で言ってくる。



『また会社で会えるでしょ？』


「そだな…っ」



って、たぶん宏光が求めてることは
そうじゃないと思うけど。









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なぜだか今日はかなり疲れた。



会社の忘年会行って楽しく飲んで
珍しく2次会にも参加しちゃって。







そしたら帰りに宏光とあみちゃんに遭遇しちゃうし。









そもそも宏光たちホテルから出て来たよね？




…まあ私にあんだけ気持ち伝えてきたから
きっと何か裏があるんだろうけど。









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「おかえり」


『あれ？まだ起きてたの？』


「うん。ずいぶん遅かったねー」


『珍しく2次会も参加しちゃった』


「そっか、楽しかった？」


『うん』








家に帰って、何事もなかったかのように
先輩と会話して。








「今日で仕事納めなんだっけ？」


『そうだよ』


「じゃあ、そろそろ返事もらえたら嬉しいかな？」


『…うん』









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「俺と結婚してくれませんか？」



「俺と結婚して一緒に福岡に来てくれたら嬉しいけど、そこまでは求めない。Aも仕事あるし、残りたいならしばらくは、そのままでいいかなって。」









先輩からプロポーズをされたあの日。




実は素直に“お願いします”って言えなかった。









そんな私の反応を見て先輩は




「返事、今すぐじゃなくていいよ。
仕事とかも絡んでくるしさ？」



って、どこまでも優しくて。



私もその言葉に甘えて、後回しにしてた。




そろそろちゃんと向き合わないと。









先輩との結婚も、宏光のことも。




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