すれ違い、愛し合い。

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ーー北山sideーー




クリスマスなんて俺にはただの平日で。



あみちゃんにどうしても一緒にご飯行きたいって言われたから、何も予定なかったし2人でご飯に行くことになった。





エントランスで待ち合わせして
店までの行き方がわからなくて2人で調べてると



「あっ、Aさん！お疲れ様ですっ！」



って、あみちゃんが声をかけて。




『お疲れ様』



って、Aが言う。



久しぶりに近くで、Aの声を聞いた。









チラッてAの方を見ると
俺なんて視界には入ってなくて
そのまま通り過ぎて外へ向かって行った。





あまりにも突然で、俺もかなり動揺して
あみちゃんが心配そうに俺のこと見てることすら
全く気づかなかった。









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「喋らなくてよかったんですか？」


「あぁ、うん」








…もう、俺たちは終わったんだし？









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あれから、あみちゃんに連れられて
少しオシャレなイタリアンのお店に来た。






いつもは居酒屋ばっかだったから
こういう雰囲気のある店に行くのは初めてだった。









クリスマスっていうか2人で忘年会みたいな雰囲気。









仕事の話やらなんやら話してたら
時間はあっという間に過ぎていく。









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店を出てタクシー乗ろうって乗り場まで
歩いていると、あみちゃんに突然腕を掴まれた。






「先輩、明日はお休みですか？」


「うん、そうだけど。どうした？」


「…朝まで、一緒に居てくれませんかっ？」









きっと、相当勇気を振り絞ったんだろう。



声も、俺を掴む手も全部震えていた。









瞬間、俺の中でいま目の前にいる
あみちゃんのことを守りたいって思った。







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