すれ違い、愛し合い。

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ーー北山sideーー





今日もいつものようにAと飲んでいた。





『それでさっ！？私は彼のためにご飯作ったのに、Aも仕事終わりで疲れてるんだから、わざわざご飯作らなくても良いとか言われてさっ？』






うんうん、ってさっきから頷いてる。



どうやら彼氏と喧嘩したようで。









Aの家に彼が泊まる時に夜ご飯を作って待ってたら、仕事終わりなのに無理するなと叱られたそう。




へぇー、それで喧嘩なの？



俺には惚気てるようにしか聞こえねえけど？









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それからも惚気なのか愚痴なのか
わからないような事をよく聞かされる事があった。





だいぶ細かい事で言い合いしてる感じだし
そのうち別れちゃうんじゃね？なんて思ってた。









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「北山先輩、今日ご飯行きません？」


「おー、いいよ」


「やった！
じゃあ定時で終わるように頑張りますっ」







そう言って笑顔でデスクに戻ったのは
入社した時から俺に猛アピールしているあみちゃん。




実はずいぶん前に告白をされて断ったけど
懲りずに俺にひっついてる。









「かんぱーいっ」


「おつかれー」


「先輩っ、
そろそろ私のこと好きになってくれましたか？」





なんて、会話の途中に言えちゃうあたりすごいよな。





「わりぃ〜。まだ考えられねぇ」


「まだ、ってことは今後可能性はありますね！」


「永遠にポジティブだな」


「それだけが取り柄ですっ！」






俺もこのくらいの姿勢でAにアピールしとけば良かったと、あみちゃんに気持ちを伝えられる度に思う。




正直、あみちゃんに何度気持ちを伝えられても
俺の中ではAの存在がいまだに消えない。









彼氏まで出来たのにな？


まじだせーな、俺。





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