七十三 ページ28
伏黒「A!!!」
普段の恵からは考えられないような声量。
勢いよく開けられたドアの先には、恵だけでなく、悠仁と野薔薇もいた。
虎&釘「「Aさん!!」」
私の元に駆け寄って来ようとした2人を悟は難無く止める。
五条「はいはい、君達はお呼びじゃないから先生と一緒に外で待ってようね〜」
彼の発言に2人が大人しく従うわけもなく。
虎杖「えー!?なんでだよ、先生!伏黒だけ狡い!」
釘崎「そうよ!!それにあんたはさっきまで会ってたからいいでしょうけど、私達は…!」
野薔薇が全てを言い終わる前に部屋の外に行ってしまい、ドアは親切に閉められた。
恵は私のベッドの傍まで来たけれど、何も言おうとはしない。
『感動のハグでもする?抱き締めてあげるよ?』
冗談のつもりで両腕を広げて見せた私は、いつの間にか逆に、恵に抱き締められていた。
伏黒「良かった……無事で…本当に」
いつもならこんなこと絶対にしない。
恵にそんなことをさせてしまう程、私は心配を掛けてしまっていた。
『ごめんね。…心配掛けて、婚約のことも勝手に決めて』
伏黒「婚約のことはいい。Aが決めたことなら俺はその意見を尊重する。…でも理由くらい教えて欲しかった」
恵が私に何かを要求することは滅多に無かった。
『悟から後々詳しい話を聞くだろうけど、あの時はまだ何も言えなかったから』
伏黒「悟って…」
恵は私を抱き締めていた腕を解いて、先程まで悟が使っていた椅子に座る。
『そう呼べって言われた。…てっきり嫌われてるのかと思ったけど逆だったみたい』
恵は最初こそぽかんとしていたけど、意味を理解したのか、少し顔を赤らめた。
『なんで恵が照れるの』
伏黒「いや、別に照れてるわけじゃ…!ただ、その…あの人が素直にそういうこと言うのは意外だなって」
『確かにそうかも』
最強の術師だと言われる彼が他人に好意を抱くなんて少し…というかかなり不思議な感じがする。
『恵、婚約のことだけど、私はこのままでいいと思ってる』
私の言葉に恵は驚くわけでもなく、静かに先を促した。
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よっちゃん - すきすぎたやばいですね。。。。。。別の作品も頑張ってください (2021年2月6日 3時) (レス) id: 7291101692 (このIDを非表示/違反報告)
刹葉(プロフ) - レネットさん» コメントありがとうございます!アリスのことを好きになっていただけて作者は嬉しいです…レネットさんの心を満たせるような小説を書けていたなら心から良かったと思います(^^)こちらこそ読んでいただきありがとうございました! (2021年1月6日 11時) (レス) id: 1a2812ca8a (このIDを非表示/違反報告)
レネット(プロフ) - 最初読んだとき、アリスちゃん嫌な奴だな…と思ってたけど最後まで読んだらアリスちゃんを好きになっしまった…。そして七海のハンカチを差し出すという紳士的な振る舞いがカッコよすぎて心が満たされました。面白かったです。ありがとうございます。 (2020年12月31日 23時) (レス) id: ec8ec8961f (このIDを非表示/違反報告)
刹葉(プロフ) - ccndayoさん» コメントありがとうございます…!とても嬉しいです。ccndayoさんの好みに合う小説を書けていたなら、良かったです(^^)こちらこそ読んでいただきありがとうございました! (2020年12月28日 12時) (レス) id: 1a2812ca8a (このIDを非表示/違反報告)
ccndayo(プロフ) - 読ませて頂きました。もうホントに素敵すぎて途中途中感情移入しちゃって涙が出ました。小説も夢小説もたくさん読んできましたが私のどタイプな内容でした…。素敵な作品をありがとうございます (2020年12月27日 22時) (レス) id: 625a5cfc03 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:刹葉 | 作者ホームページ:http://mobile.twitter.com/fall_0613
作成日時:2020年12月1日 16時