六十一 ページ16
Aside
伏黒恵と蒼社Aの婚約がなくなった___という話はそれなりに広がった。
というよりも私が故意に広めた。
このタイミングで恵との婚約をなかったことにすれば、内通者は私が恵を守る為に取った行動だと1度は思う筈。
それは事実だし、否定する気もない。
ただ婚約をやめたところで恵を守ることになるかというと、そうでもない。
でも私にとってはこの後内通者がどう動くかということの方が重要だった。
何かしら行動を起こすか、何もしないか。
前者ならまだやりやすいが、後者の場合、下手に動けば恵を危険に晒す可能性がある。
『………』
先日の偽夏油傑やツギハギ顔の呪霊、真人と会った時のことを思い返す。
そもそも会ったことや話した内容を私以外の呪術師に知られたくないのなら、私を殺すべきだった。
それをしなかったのは何故か。
私を殺せないと判断したから?
それとも恵を人質にすれば私が口外しないと確信していたから?
私は大切な人間を人質にとられてばかりいる。
七海「蒼社さん、任務中に余所見は感心しませんが」
私の背後に迫っていたらしい呪霊を斬り伏せて七海建人は言った。
『あ、ごめんナナミン』
七海「…………」
悠仁から教えてもらった通りに呼べば、彼は黙る。
『可愛いと思うけど。ナナミンって』
七海「やめてください」
貴方まで何を言い出すんですかと七海は次の標的がいるであろう場所に向かう。
今日は彼との任務だった。
呪霊の等級は準1級。
私は補助。
七海ほどの実力があれば補助なんて必要ないだろうけど。
七海「…伏黒君との婚約、白紙に戻したそうですね」
『無責任だと思う?』
七海「いえ、別に。貴方のことだ。どうせ何かしらの理由があったのでしょう」
『七海って意外と私のこと分かってるよね』
七海「一応先輩ですから。…それに貴方が理由もなくそういう判断をする人じゃないということは今までの付き合いで分かっています。あの人と違って」
七海の言うあの人は間違いなく五条悟だろう。
『七海は彼のこと好きだよね』
七海「信用、信頼はしていますが、断じて好きではありません」
きっぱり言い切った七海に笑った。
2005人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
よっちゃん - すきすぎたやばいですね。。。。。。別の作品も頑張ってください (2021年2月6日 3時) (レス) id: 7291101692 (このIDを非表示/違反報告)
刹葉(プロフ) - レネットさん» コメントありがとうございます!アリスのことを好きになっていただけて作者は嬉しいです…レネットさんの心を満たせるような小説を書けていたなら心から良かったと思います(^^)こちらこそ読んでいただきありがとうございました! (2021年1月6日 11時) (レス) id: 1a2812ca8a (このIDを非表示/違反報告)
レネット(プロフ) - 最初読んだとき、アリスちゃん嫌な奴だな…と思ってたけど最後まで読んだらアリスちゃんを好きになっしまった…。そして七海のハンカチを差し出すという紳士的な振る舞いがカッコよすぎて心が満たされました。面白かったです。ありがとうございます。 (2020年12月31日 23時) (レス) id: ec8ec8961f (このIDを非表示/違反報告)
刹葉(プロフ) - ccndayoさん» コメントありがとうございます…!とても嬉しいです。ccndayoさんの好みに合う小説を書けていたなら、良かったです(^^)こちらこそ読んでいただきありがとうございました! (2020年12月28日 12時) (レス) id: 1a2812ca8a (このIDを非表示/違反報告)
ccndayo(プロフ) - 読ませて頂きました。もうホントに素敵すぎて途中途中感情移入しちゃって涙が出ました。小説も夢小説もたくさん読んできましたが私のどタイプな内容でした…。素敵な作品をありがとうございます (2020年12月27日 22時) (レス) id: 625a5cfc03 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:刹葉 | 作者ホームページ:http://mobile.twitter.com/fall_0613
作成日時:2020年12月1日 16時