四十六 ページ1
伏黒「…悪い、Aも暇じゃないのに付き添いなんてさせて」
隣を歩く恵は、少し前を歩く野薔薇と悠仁の背中を見て言った。
『いいよ。他でもない恵からのお願いだし。…寧ろ嬉しい。連れてきてくれてありがとう』
伏黒「………」
黙った恵の様子が気になって横を向けば、珍しく恵が照れていた。
そんな彼の頭をぽんぽんと撫でれば、小さな声でやめろよと一言。
『ごめん、つい。可愛くて』
伏黒「だから…!子供扱いすんのもいい加減__」
釘崎「案外満更でもないのね」
伏黒「…は?」
いつの間に私と恵の背後に回っていたのか、野薔薇は私と恵の間から顔を出して、面白いものでも見つけた時のような反応を見せた。
釘崎「伏黒のことだから嫌々婚約してるのかと思ってたけど…寧ろ」
伏黒「釘崎、それ以上言ったらこの荷物、そこら辺に捨てて帰るぞ」
釘崎「はぁ?!ふざけんな!!」
野薔薇に私を傷付けてやろうという意図は全くないんだろうけど、本人がいる前で嫌々婚約しているのかと思ったという発言はどうかと思う。
本来ならこんな年の離れた相手と婚約するなんて嫌なんだろうけれど。
虎杖「Aさんはどうなん?伏黒との婚約」
『え』
話題を振られるとは思っていなかったせいで一瞬頭の中が真っ白になる。
恵を見ると野薔薇と争っていたにも関わらず、動きを止めて私の回答を待っているようだった。
『えっと…私は恵のこと好きだけど、将来的に恵が大切な人を見つけたなら婚約を破棄してもらって構わないと思ってるよ』
好きと言っても恋愛的な意味での好きではないし、婚約だって、母と甚爾が多分私の為にと決めたことで、私が決めたことではない。
恵もそれは分かっている。
『恵ってね、私には勿体ないくらい優しいし、かっこいい人だと思う』
微笑んで告げた私の視界に一瞬映り込んだ見覚えのある服装。
『!』
虎杖「Aさん大人だなぁ…」
『恵、ごめん私抜ける。後は3人で楽しんできて』
伏黒「え…?は…?A?」
『絶対ついてくるな』
伏黒「おい!!」
恵の制止する声を振り切って、彼の後を追いかけた。
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よっちゃん - すきすぎたやばいですね。。。。。。別の作品も頑張ってください (2021年2月6日 3時) (レス) id: 7291101692 (このIDを非表示/違反報告)
刹葉(プロフ) - レネットさん» コメントありがとうございます!アリスのことを好きになっていただけて作者は嬉しいです…レネットさんの心を満たせるような小説を書けていたなら心から良かったと思います(^^)こちらこそ読んでいただきありがとうございました! (2021年1月6日 11時) (レス) id: 1a2812ca8a (このIDを非表示/違反報告)
レネット(プロフ) - 最初読んだとき、アリスちゃん嫌な奴だな…と思ってたけど最後まで読んだらアリスちゃんを好きになっしまった…。そして七海のハンカチを差し出すという紳士的な振る舞いがカッコよすぎて心が満たされました。面白かったです。ありがとうございます。 (2020年12月31日 23時) (レス) id: ec8ec8961f (このIDを非表示/違反報告)
刹葉(プロフ) - ccndayoさん» コメントありがとうございます…!とても嬉しいです。ccndayoさんの好みに合う小説を書けていたなら、良かったです(^^)こちらこそ読んでいただきありがとうございました! (2020年12月28日 12時) (レス) id: 1a2812ca8a (このIDを非表示/違反報告)
ccndayo(プロフ) - 読ませて頂きました。もうホントに素敵すぎて途中途中感情移入しちゃって涙が出ました。小説も夢小説もたくさん読んできましたが私のどタイプな内容でした…。素敵な作品をありがとうございます (2020年12月27日 22時) (レス) id: 625a5cfc03 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:刹葉 | 作者ホームページ:http://mobile.twitter.com/fall_0613
作成日時:2020年12月1日 16時