ぶりっ子VS最強__延長戦

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夏油「私は悟にもAにも幸せになって欲しかった。結果的に幸せになってくれるなら相手が誰であれ、過程がどうであれ気にしなかったさ」




『…過去形？』




夏油「うん。過去形。だって今は違うから」




夏油君はそう言った後、少しの時間目を伏せ、私と再び目が合ったかと思えば真剣な表情で私に告げた。




夏油「今は自分の力でAを幸せにしたい」




『…………え"っ…待っ……は？……プロポーズですか、ちょっと』




夏油「そう取ってくれて構わない」




『いや、いやいやいや。私のこと一日に一回は弩級の馬鹿だとか屑だとか罵ってくるのに…！』




夏油「愛故だよ」




『愛の名の下に全てが許されると思ったら大間違いだからね、ゲットゥー』




理解が追いつかない。何故だ。私夏油君に好かれるようなことした覚えないぞ…？




五条君には過去に貢いだり、荷物持ちしたり、愛の言葉を囁きまくったりしたけど。




とすると夏油君はぶりっ子の私ではなく、素の私に惚れたということで。




だからなんで皆ぶりっ子に惚れないんですかぁ！！




『私は幸せになったとしても、五条君は？五条君の幸せは…』




夏油「…だから悟には悪いと思っているよ。悟が幸せになる為にはAとの結婚が必要不可欠だからね。もし私がAを奪ってしまったら…」




『私は夏油君のこと好きになれるか分からないよ？』




夏油「それでもいい。Aが傍にいてくれるなら、笑っていてくれるなら十分だから」




『イケメンかよ』




夏油「イケメンだよ」




『今ので台無しになりましたけども』




私が傍にいて笑っていれば夏油君はいいと言うけど、好きになってくれない相手を想い続けるのは辛い。




お母さんがそうだったからよく分かる。




それに今この状況で頷いてしまう程、私は最低じゃありません。




『夏油君、私は…』




夏油「返事は今じゃなくていい。悟とのこともあるだろうからね。…悟がさっきの言葉通りAとの結婚をやめてくれることを願っておくよ」




そう言い残して夏油君は出て行った。




『…これは大分まずいことになってしまったのでは…？』




あと私は今日一体何処に帰ればいいんでしょうか、神様。

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